品質向上に期待の富士通スマホ/通信の負荷軽減も目指す「LINE」/音楽との出会いを増やす「Music Unlimited」:石野純也のMobile Eye(6月25日〜7月6日)(2/2 ページ)
夏商戦が本格化し始める中、富士通が新機種発表会を開催。スペックだけでなく使い勝手の良さをアピールした。プラットフォーム化を目指すLINEはKDDIとの提携も話題を集めた。ソニーが日本で開始した「Music Unlimited」は、新しい音楽の出会いを増やす仕掛けを充実させた。
1000万曲の音楽が聴き放題になる「Music Unlimited」が、ついに上陸
ソニーは、3日に1000万曲の音楽が聴き放題になる「Music Unlimited」を日本で開始した。料金は30日の定額制で1480円。すでに欧米などの海外ではサービスを開始しており、「ユーザー数は100万」(ソニー関係者)に達しているという。
Music Unlimitedには「音楽とのさまざまに出会える仕組みが入っている」(ソニー、ネットワークエンターテインメント、大澤雄人氏)。1つは「マイライブラリ」で、利用中のPCに入っているDRMのかかっていない音楽のメタデータを、クラウド上に置かれた1000万の楽曲とマッチングする。合致したものは、Music Unlimitedのマイライブラリに、すぐに追加される。2つ目の仕組みがチャンネルで、ユーザーが好き、嫌いを判断すると、その嗜好に従ってパーソナライズされたチャンネルが出来上がる。他にも、「SenseMe」と呼ばれる各種ソニー製品でおなじみの12音解析を利用し、雰囲気に合わせた楽曲を選ぶことが可能だ。もちろん、年代やジャンルごとのチャンネルも用意されている。
モバイル機器については、「スマートフォンで約4000曲、PlayStation Vitaで約1000曲のキャッシュが可能」(大澤氏)となる。楽曲の認証は30日ごとに行い、契約を継続していないと、端末内に保存した音楽は再生できなくなる仕組みだ。“マルチデバイス”も特徴で、機能の差分はあるが、スマートフォン、タブレット、PlayStation Vita、PlayStation 3のほか、Walkman、BRAVIAやWindows、MacのPCにも対応する。また、近日中には「海外で提供しているiOS向けのアプリも公開する」(大澤氏)予定だ。
楽曲のデータフォーマットは、着うたフルなどで使われた「HE-AAC」で、ビットレートは48Kbps。圧縮率が高いように思えるが、これは「モバイル環境でも数百、数千の曲を扱うサービス。ダウンロード体験を快適にしたかった」(大澤氏)ためだ。音質に関しては、エンジニアなどが視聴して、おすすめできるものになっているという。
Music UnlimitedはiOSや他社製Androidスマートフォン、タブレットに対応していることからも分かるように、ソニーグループに閉じたサービスではないものの、「Xperia GX、SXにはショートカットとしてプリインストールされる」(ソニーモバイル、広報部)。この2機種では、ソニーグループのサービスをまとめたフォルダがホーム画面に置かれ、ワンタッチでアプリをダウンロードできるようになる。
ただし、そこからのフローは他社の端末と同じだ。サービスが始まったばかりのため、仕方がない部分はあるが、Xperiaがソニーグループの製品だと考えると、将来的には、例えば初期設定時にMusic Unlimitedなどに必要なSony Entertainment NetworkのIDを一括登録できるような連携は必要になってくるだろう。現時点では、モバイル端末からの登録にも非対応だ。キャリア課金への対応にも期待したい。
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