Z4よりもバッテリーは持つ?――「Xperia Z5」のスタミナをチェックする
Xperia Z5は、Z4と同じく「Snapdragon 810」を搭載しているが、バッテリー容量はZ5の方がわずかに小さい。ということは、実使用時間も短くなっているのか? Z5とZ4でYouTubeと静止画再生テストを実施してスタミナを比較した。
NTTドコモ、KDDI、ソフトバンクから販売されているソニーモバイルコミュニケーションズ製の「Xperia Z5」は、バッテリー容量が前モデル「Xperia Z4」の2930mAhよりもわずかに少ない2900mAhとなっている。Xperia Z4ではZ3と比べてバッテリーの持ちがいまひとつだったが、今回はどうなのか。Xperia Z5とZ4(いずれもドコモ版)で、恒例のテストを実施した。
まずは3キャリアが公表しているバッテリー関連のスペックを見ていこう。ドコモの場合、連続通話時間と連続待受時間はXperia Z4よりも下がっているが、実使用時間は67.8時間から77.4時間に伸び、日数にすると「3日」を超えた。ちなみにドコモが定めている実使用時間は、Web閲覧を約59分、メールや通話、SNSアプリなどを約40分、ゲームや動画、音楽を約54分、その他約34分の「平均的なスマートフォンの利用」を想定したもの。
auの場合、連続通話時間はZ4よりも短いが、連続待受時間は逆にZ4よりも延びている。ソフトバンクの場合、連続通話時間はZ4より延びているが、連続待受時間は同じだ。
ドコモ | au | ソフトバンク | ||||
---|---|---|---|---|---|---|
Xperia Z5 SO-01H | Xperia Z4 SO-03G | Xperia Z5 SOV32 | Xperia Z4 SOV31 | Xperia Z5 | Xperia Z4 | |
バッテリー容量 | 2900mAh | 2930mAh | 2900mAh | 2930mAh | 2900mAh | 2930mAh |
連続通話時間 | LTE:約1160分 3G約740分 |
LTE:約1180分 3G:約810分 |
LTE:約1250分 | LTE:約1280分 | LTE:約840分 3G:約1440分 |
LTE:約840分 3G:約1320分 |
連続待受時間 | LTE:約410時間 3G:約440時間 |
LTE:約470時間 3G:約480時間 |
LTE/WiMAX 2+:約500時間 | LTE/WiMAX 2+:約460時間 | LTE:約550時間 AXGP:約510時間 3G:約590時間 |
LTE:約550時間 AXGP:約510時間 3G:約590時間 |
実使用時間 | 約77.4時間 | 約67.8時間 | − | − | − | − |
このようにキャリアによってスタミナの差はまちまちだが、実際はどうなのだろうか? テストはYouTubeのHD動画を連続再生、1080×1920ピクセルの静止画を連続表示の2種類を行った。
テストの条件は以下の通りだ。
- バッテリー残量の確認には「Battery Mix」アプリを使用
- 満充電の状態で計測開始
- ネットワークはWi-Fiに接続
- GPSとWi-Fiはオン、Bluetoothはオフにした
- Googleの同期はオンにした
- Twitter、Facebook、Dropboxにログイン、Yahoo!アプリをインストール
- ディスプレイ輝度は中間で統一した(明るさの自動調節はオフ)
まずはYouTubeのテスト結果から見ていこう。こちらは11月7日の11時5分から東京都江戸川区の屋内で開始し、双方のバッテリーが尽きるまで動画の再生を続けた。その結果、Xperia Z5は6時間3分後、Xperia Z4は4時間23分後にバッテリー残量がゼロになった。ここはXperia Z5が大差をつけての勝利となり、Z4と比べてスペック以上にスタミナが強いことが分かった。
Xperia Z5 | Xperia Z4 | |
---|---|---|
1時間後 | 90% | 84% |
2時間後 | 72% | 58% |
3時間後 | 55% | 33% |
4時間後 | 38% | 5%(23分後に0%) |
5時間後 | 20% | − |
6時間後 | 1%(3分後に0%) | − |
静止画の連続再生テストは、11月9日11時にアイティメディア社内で開始し、写真を表示させたまま、バッテリーが尽きるまで放置した。こちらはほぼ互角の戦いで、10時間後まではXperia Z4がリードしていたが、11時間後あたりから逆転し、最終的にはXperia Z5が16時間41分後、Xperia Z4が16時間38分後にバッテリーが尽きた。
Xperia Z5 | Xperia Z4 | |
---|---|---|
1時間後 | 97% | 97% |
2時間後 | 90% | 91% |
3時間後 | 85% | 86% |
4時間後 | 79% | 80% |
5時間後 | 73% | 74% |
6時間後 | 67% | 68% |
7時間後 | 60% | 62% |
8時間後 | 53% | 55% |
9時間後 | 48% | 50% |
10時間後 | 42% | 43% |
11時間後 | 37% | 36% |
12時間後 | 31% | 29% |
13時間後 | 24% | 23% |
14時間後 | 19% | 17% |
15時間後 | 13% | 10% |
16時間後 | 6%(41分後に0%) | 4%(38分後に0%) |
静止画の連続表示は誤差の範囲といえるが、YouTubeの連続再生で大きく差がついたのは興味深い。Xperia Z5とZ4は、いずれもプロセッサに「Snapdragon 810(MSM8996)」を採用しているので、スペック上はバッテリー容量がわずかに少ないZ5の方が不利になる。しかし実際は、ある程度ヘビーに使う環境だと、Z5の方が消費電力を抑えられるよう、うまく制御されているようだ。これに関連して、Xperia Z4で気になった「発熱」は、Z5でだいぶ抑えられている(詳細なリポートは後日掲載する)。ドコモの実使用時間にも表れている通り、Xperia Z5のスタミナは、Z4から着実に改善されているといえる。
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