1万円台の低価格SIMフリースマホを徹底比較――スタミナ&ベンチマークテスト編:最新スマートフォン徹底比較(1/4 ページ)
市場価格が1万円台のAndroidスマホ6機種を比較する。後編ではバッテリーの持ちや処理性能に関するベンチマークテスト、対応する周波数帯について見ていく。コスパの高いモデルはどれだ?
市場価格1万円台(税別)のAndroidスマホ比較。後半では処理性能やバッテリー持ちに関するベンチマークテストと、対応するネットワークについて見ていこう。
比較する機種は、前半で紹介したHuawei製「HUAWEI Y6」、ASUS製「ZenFone Go (ZB551KL)」、プラスワン・マーケティング製「Priori3S LTE」、UPQ製「UPQ Phone A01」、プラスワン・マーケティング製「雅(MIYABI)」に加えて、ZTE製「ZTE Blade V6」 を加えた6機種だ。※記事中の価格は税別。
テストへ移る前に、前半では紹介していなかった「ZTE Blade V6」の実機について見ておこう。
ZTE Blade V6:ハイエンド機並みの高級感、スーツに合う薄型軽量モデル
- 実売価格:1万7722円(ヨドバシ.com)
厚さ6.8ミリのボディーに、5型HD(720×1280ピクセル)のIPS液晶を搭載。アルミ合金とガラスパネルで構成されたスリムボディーは、1万円台とは思えない高級感がある。
プロセッサはミドルローのMT6735(1.3GHz/4コア)で、2GBメモリを搭載。ブラウザやSNSなど多くのアプリを快適に利用できた。カメラは1300万画素で2種類のLEDライトを搭載。インカメラも500万画素で広角レンズを搭載する。だが、撮影した写真はやや鮮やかさに欠ける印象だ。タッチ操作のハードキーを搭載し、画面を広く利用できる。また、「戻る」キーと「タスク切り替え」キーの配置を入れ替えることも可能だ。
本体は狭額縁デザインで、横幅は69.5ミリとスリム。他の5型ディスプレイ搭載モデルの横幅は約72ミリだ。実際に持ち比べると、ZTE Blade V6のほうが圧倒的にスリムで握りやすい。男性でも女性でも、片手親指でスムーズに操作できるだろう。ボリュームキーと電源キーは右側面に搭載。本体フレームと同じく金属製で安っぽさはない。
ココが○
- 高強度6013アルミ合金採用など、ハイエンド機種並みの質感
- 厚さ6.8ミリ、重量122グラムで狭額縁のスリムボディー
- 動作のもたつきが少ない
ココが×
- アウトカメラ、インカメラとも発色が良くない
- USB OTGに非対応
- スピーカーが背面なので、布地の上に置くと聞こえづらい
バッテリーの持ちはPriori3S LTEとZenFone Goが優秀
Priori3S LTEとZenFone Goの2機種が3000mAh以上の大容量バッテリーを搭載している。他の4機種は2000mAh前後とやや少なめだ。だが、これまでのテストの傾向からすると、低価格帯のスマホはCPUの処理性能が抑えられている分省電力で、バッテリー容量が少なくても長時間動作する傾向がある。では、実際にどれだけの時間動作するのだろうか。テスト結果を見ていこう。
機種名 | OS | 画面サイズ | 画面解像度 | バッテリー容量 | 価格(税別) |
---|---|---|---|---|---|
HUAWEI Y6 | Android 5.1 | 5.0型(IPS液晶) | HD(720×1280ピクセル) | 2200mAh | 1万5980円 |
ZenFone Go (ZB551KL) | Android 5.1 | 5.5型(IPS液晶) | HD(720×1280ピクセル) | 3010mAh | 1万9800円 |
Priori3S LTE | Android 5.1 | 5.0型(IPS液晶) | HD(720×1280ピクセル) | 4000mAh | 1万7800円 |
UPQ Phone A01X | Android 5.1 | 4.5型(IPS液晶) | フルワイドVGA(480×854ピクセル) | 1800mAh | 1万4800円 |
雅(MIYABI) | Android 5.1 | 5.0型(IPS液晶) | HD(720×1280ピクセル) | 2200mAh | 1万9800円 |
ZTE Blade V6 | Android 5.0 | 5.0型(IPS液晶) | HD(720×1280ピクセル) | 2200mAh | 1万7722円 |
※価格は2016年6月6日時点。※価格は2016年5月9日時点。HUAWEI Y6はVモール楽天市場店、ZenFone Go(ZB551KL)はASUS Shop、Priori3S LTEと雅(MIYABI)やFREETELオンラインショップ、UPQ Phone A01XはDMM.make STORE 楽天市場店、ZTE Blade V6はヨドバシ.com調べ。 |
バッテリー持ちのテストはこれまでのテスト記事と同様に、YouTubeの動画の連続再生と静止画の連続表示時間についてテストを実施した。条件は以下の通りだ。
- 満充電の状態で計測開始
- バッテリー残量の確認には「Battery Mix」アプリを使用
- ディスプレイの輝度は中間に統一
- Wi-Fi接続で通信(ネットワークは光回線を使用)
- GPSはオン、Bluetoothはオフにした
- Googleアカウントの同期はオンにした
- twicca、Twitter、Facebook、Dropboxをインストールしてログイン、Yahoo!アプリをインストールした
YouTubeの動画再生テストについては、HDサイズの動画リストを連続再生する形で実施。スピーカー音量はオフにしてバッテリー切れになるまで計測した。
動画再生では、大容量4000mAhバッテリー搭載のPriori3S LTEが、8時間9分と一番長く再生できた。だが、5.5型大画面のZenFone Goも、7時間49分とほぼ同じ時間再生できている。画面サイズの大きさも考えると、6機種のうち動画を一番長く楽しめるのはZenFone Goといっていいだろう。
2000mAh前後のバッテリーをした4機種は、いずれも5時間前後の再生となった。バッテリー容量が少ない割には、3000mAh前後のバッテリーを搭載したハイエンドやミドルクラスとほぼ同じ時間再生できた。
注意点として、Priori3S LTEはこの動画再生テストやバッテリー充電テストにおいて、バッテリー残量表示の不具合が確認できた。動画再生テストでは残量表記が20%になった時点で急にバッテリー切れを起こしたほか、述する充電速度のテストでも80%まで充電した時点で急に満充電に移行している。この不具合は5月25日時点でも修正されていない。決してバッテリー持ちが悪いわけではないが、早期の修正を願いたい。
再生時間 | バッテリー容量 | |
---|---|---|
HUAWEI Y6 | 5時間06分 | 2200mAh |
ZenFone Go (ZB551KL) | 7時間49分 | 3010mAh |
Priori3S LTE | 8時間09分 | 4000mAh |
UPQ Phone A01X | 5時間29分 | 1800mAh |
雅(MIYABI) | 4時間52分 | 2200mAh |
ZTE Blade V6 | 4時間38分 | 2200mAh |
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