フラグシップモデルも必要だが、まずはローエンドで勝負――ZTEの反撃なるか:SIMロックフリースマホメーカーに聞く(2/3 ページ)
ZTEは2014年から日本市場でSIMロックフリースマホを投入しているが、なかなか存在感を高められずにいる。同社はどのように反転攻勢をかけていくのか。プロダクトマーケティングの責任者、吉本晃氏に聞いた。
―― なぜ、Blade V7はliteだったのでしょうか。
吉本氏 Blade V7 liteは、V6の後継ということで、2月のMobile World Congressで発表した機種です。確かに「Blade V7」もラインアップにはありましたが、価格的にちょっと難しい。特徴があって、売りやすいもの。しかもグローバルでもV7 liteには力を入れていることもあり、そこと歩調を合わせていきました。この2万円台前半は、ボリュームゾーンになりそうだと考えています。
―― SIMフリーのもともとのボリュームゾーンは、3万円を切るぐらいの価格でしたが、最近、それが徐々に下がってきているような印象を受けます。
吉本氏 そうなんですよね。もしブランド力があれば、もう少し高い値段でも勝負できるのですが、そういうものができるまでの間は、気軽に手に取っていただけた方がいい。あとは、それこそAXONシリーズもありますからね。
Blade E01は緊急地震速報に対応している
―― 今回、日本向けにカスタマイズしたようなところはあるのでしょうか。
吉本氏 特にこれというようなものはありませんが、周波数の対応は当然しています。この1つ前ぐらいからソフトバンクの周波数にも対応して、両方で使えるようにしています。あとは、日本語変換なども当然やっています。
―― 緊急地震速報はいかがですか。
吉本氏 Blade E01には入れています。さすがCBS(Cell Broadcast Service:3G用の緊急地震速報)は難しいのですが、ETWS(Earthquake and Tsunami Warning System:LTE用の緊急地震速報)は、チップセットにも入っていて、Androidも標準でサポートしています。あとはちょこっと手を加えればいいので、これは本社に対応してもらいました。
災害時用の機能という点では、ラジオもそうです。ここは日本向けにチューンしたというより、削除しなかったという方が正しいですね。ワイドFMが始まり、グローバル向けのものがそのまま使えるようになったので、災害対応にいいと思い、Blade V7 liteにはそのまま残してもらいました。これも、以前は使えない機能だったので、日本で発売する際には外すのが常識でした。
―― なるほど。そうやって日本の状況をインプットしているということですね。
吉本氏 防水も、もう少したくさん売れてくれればいけるのですが(笑)。キャリア向けには防水端末も作っているので、ある程度の台数がコミットできれば、対応はできます。ただ、今はこの状況で、ブランドもなく、何万台というコミットが取れないの難しいですね。
―― そういう意味では、MVNOが何社か共同で調達すれば、日本のユーザーの好みに合った機種が出せるのではと思います。防水以外に、例えばおサイフケータイなどはいかがでしょうか。
吉本氏 おサイフケータイは、さすがにちょっと面倒なことが多いですね。調べはしていますが、今まで作ってきたわけではないので、進化した状態になっているところにキャッチアップするのが大変です。開発期間もコストもかかるので、MNOさんぐらいまとめてドンと調達してもらえないと、厳しいものがあります。
ただ、グローバル的にもNFCが来るといわれているところがあり、NFCオンリーのチップにするのか、FeliCaも入ったチップするのかという選択肢は出てくるでしょう。無線部分は一緒なので、あとはセキュアエレメントをどうするか。2020年に向けて「リーダ/ライターが増える」と言う方もいますからね。
―― 可能性はゼロではないということですね。
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