News 2001年12月25日 11:21 PM 更新

2001年は,やっぱりロボットの年だった?

あまりにもたくさんの出来事があった2001年。しかし,ロボット担当記者としては,やはり「2足歩行ロボットの発売・発表が相次いだ」ことに注目したい。今年のロボット業界の動向を,今一度振り返ってみよう。

 2001年は,ロボットが非常に注目を集めた年だったということに,異論を挟む人は少ないだろう。2足歩行ロボットが,さまざまなところで注目を集め,それをダウンサイジングした形で商品化された2足歩行玩具が話題を呼んだ。もちろん,2足歩行ロボットだけでなく,お掃除ロボットなど,将来,家庭に入ってきそうなロボットたちが登場したことも,今年の大きな収穫だった。

 2001年は間もなく終わろうとしているが,2002年になれば,さっそく「ROBODEX2002」(会場:パシフィコ横浜,一般公開は3月28日〜3月31日)が開催される。おそらく2002年は今年以上に,ロボットの話題に触れる機会が増えることだろう。今から期待が膨らむが,その前に,まずは今年のロボット業界の動向を振り返ってみよう。

2足歩行ロボットへの挑戦

 2001年に登場,または話題になった2足歩行ロボットには,「PINO」(北野共生システムプロジェクト),「ASIMO」(ホンダ),「HOAP-1」(富士通研究所),「isamu」(川田工業),「Morph」(村田製作所&ZMP&北野共生システムプロジェクト)がある。

 玩具レベルでは,「ロボットフレンドPINO DX」(ツクダオリジナル),「TECH ROID R/C MS06-F ZAKUII」(バンダイ),「スーパーロボット ドリームフォース01」(タカラ),「W-BOT」(セガトイズ)など,続々と2足歩行ロボットが登場している。これらは,歩行時に片足を浮かせる完全2足歩行ではなく,タイヤなどのアシスト機構により歩行しているように見せる「擬似2足歩行」がほとんどだが,玩具としては十分に満足できるレベルにある。

 2足歩行ロボットの開発者たちは,将来的に人間の形をしたヒューマノイドロボットが,家庭もしくは人々の生活に入り込んでいくと考えている。PINOが,丸くて柔らかいデザインをしているのは,人間との共生を念頭においたものであり,ASIMOは,人間に恐怖心を与えないために,小学生サイズに設計されている。

 一方,そうした考え方を持たないのが,全長150センチのisamuだった。他のヒューマノイドロボットとは一線を画す,独特なデザインが印象的だったが,開発したのが橋りょうの川田工業だけに,男性的な力強さをアピールしたかったようだ。

 ただ,ヒューマノイドロボットが,人間と共生,または人間と労働するようになるのは,まだまだ先のこと。2001年は,その第1歩を踏み出したに過ぎない。ヒューマノイドロボットをプラットフォームとして,外部研究機関や研究所に販売・レンタルし,オープンソース的なアプローチによって開発を加速させようという試みが,始まった段階である。

実用性重視のロボットが実用化に近づく

 ヒューマノイドばかりが注目される傾向にあるが,実は,2001年は「実用性重視型」のロボットが発展した年でもある。こうしたロボットたちは,2050年に人間とサッカーをするという「夢」を追いかけるのではなく,数年以内,または来年にも実用化されそうなものばかりだ。

 代表的なのが,お掃除ロボット。三洋電機が開発中の「じそうじ丸」(三洋電機)は,親しみやすいデザインが特徴的。松下電器産業豪FloorBoticsなども,人工知能搭載の掃除機開発を表明した。

 商品化は,市場ニーズや価格次第になりそうだが,じそうじ丸を見る限り,完成度はかなり高い。家庭向けロボットとして「メイドロボット」を望む声が大きいことを考えれば,お掃除ロボットが近い将来実用化されることは,かなりの確率でありそうである。

 もう1つ,2001年のロボット事情を振り返るとき,外すことができないのが,災害救助ロボットだ。今年7月には,初の救助ロボットコンテストが大阪で開催されるなど,盛り上がりを見せている。

 これまで災害救助ロボットとえいば,シミュレーションが中心だったが,東京工業大学のヘビ型ロボット「蒼龍」は,頭部にCCDカメラを搭載し,遠隔操作によって要救助者を探し出すことができるなど,実戦投入も視野に入ってきている。

ペットロボットはどうなった?

 2001年,ペットロボットはどのように変わっただろうか。ニュースとしては,ソニーが「AIBO」の新製品発売したことと,ソニー以外では初めて,オムロンが据え置き型ネコ型ロボット「ネコロ」を発売したことが挙げられる。

 AIBOについては,従来製品から大きな進化があったわけではない。機能面でのブラッシュアップと新しいデザインの探求というのが大きなテーマになっている。一方,ネコロは,「歩行しない」という新しいアプローチでペットロボットの開発に取り組んだ画期的な製品だ。実際に毛が生えており,動きも本物のネコに出来る限り近づけた。

 2001年は,ペットロボットというジャンルが,ようやく確立された年だったと言える。まだ市場と呼べるほどの規模ではないが,ペットロボットは着実に,人々の生活に入り込んでいる。

 それでは,ロボットの2002年はどうなるのだろうか。次回(12月26日掲載予定)は,そのあたりを大胆に予想してみようと思う。

[中村琢磨, ITmedia]

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