コンピュータで“錯視”の謎に迫る
2つ並んだ正方形、あなたは同じ色に見える? 「客のクレーム対応」で始まった錯視研究とは(2/2 ページ)
図の説明をしましょう。図Aの背景のもとで図aの色を表示したいとします。しかし図aをそのまま図Aの上におくと、人間には図Bのように、ややピンクっぽく見えてしまいます。
筆者と新井しのぶによる数理モデルから得られた結果は、図bを図Aの上に置けば、図Aの背景のもとで近似的に図aの色になるというものです。その結果を示すのが図Cです。ただし、これは筆者らの視知覚にカスタマイズした数理モデルによる計算です。
なお、ここではシミュレーションで得られた色を比較していただくために、便宜上、図a、図bを二つ並べましたが、これらを見るときには新たな同時対比が起こっていることに注意が必要です。
今回は色の同時対比について解説しましたが、この他にも色に関する錯視にはいろいろなタイプがあります。ここでは触れることができませんでしたが、色の錯視、あるいは色知覚そのものも古くから研究され、現在も多くの人々によって研究が進められています。
- 引用文献 【1】「シュブルール色彩の調和と配色のすべて」M. E. シュブルール/佐藤邦夫訳(青娥書房、2009)
この記事で解説した新しい数理モデルによる色の同時対比の研究成果については、特許(発明者:新井仁之、新井しのぶ 特許権者:国立研究開発法人 科学技術振興機構)を取得しています。
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コンピュータで“錯視”の謎に迫る
あなたが今見ているものは、脳がだまされて見えているだけかも……。この連載では、数学やコンピュータの技術を使って目に錯覚を起こしたり、錯覚を取り除いたり──。テクノロジーでひもとく不思議な「錯視」の世界をご紹介します。
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