検知困難な「ファイルレスマルウェア」、過去には三菱電機も被害に 対策の鍵は「振る舞い検知」 専門家が解説(2/2 ページ)
セキュリティ製品選びが重要 Officeファイルのマクロ実行禁止も
セキュリティ製品の機能が進化する一方、攻撃者の手法も日々巧妙化している。こうした機能による検知では限界があることも事実だ。どんな対策が必要だろうか。
石丸さんは今すぐできる対策として「OSやセキュリティソフトを最新バージョンにアップデートした上で、怪しい添付ファイルを開かないなどの意識の徹底が必要だ」と話す。悪用されることが多いPowerShellの機能停止や、他者から受け取ったOfficeファイルのマクロ実行を原則禁止するなどの対策も有効だという。
重要な情報を守るためには、セキュリティソフト導入時の製品選びも重要になる。石丸さんは「製品の機能をよく確認し、メモリスキャン、フルスキャン、振る舞い検知があるものを最低限選んでほしい」と呼び掛ける。
例えば、セキュリティソフトを評価するオーストリアの第三者機関「av-comparatives」に各社のセキュリティソフトの各種性能比較を定期的にレポートにまとめている。こうした結果も見つつ、振る舞い検知の有無などを見定めるのがいいだろう。
「セキュリティソフトはきちんと守るのが役割。きちんと機能を確認し、適切な製品を導入することで100%じゃなくても限りなく100%に近づける」(石丸氏)
自宅の私用端末での社内VPN利用は要注意
セキュリティソフトを導入して安心というわけではない。マルウェア対策には社内の全端末に例外なく導入を徹底し、セキュリティ製品の機能をフルで活用することも欠かせない。
石丸さんはマルウェアに感染した企業のインシデント対応をすることも多い。その中には一般社員に製品を導入していても経営層には導入していないケースや、一部の機能をオフにしているケースがあったという。「例外なく、組織全体にちゃんとしたセキュリティ製品を入れるとともに、機能をフルで活用することでセキュアな状態を維持してほしい」と石丸さん。
コロナ禍では社員の感染防止のため、テレワークを導入する企業が増えたが、業務に社員の私用端末を使用する場合は注意が必要だ。私用端末にはセキュリティ製品が入っていないケースがあるからだ。
業務用端末を社員に貸し出す企業もあるが、セキュリティレベルが十分でない私用端末から社内VPNなどにアクセスした場合、攻撃者にその脆弱(ぜいじゃく)性を突かれる可能性がある。セキュリティ製品をインストールしていない私用端末経由で、社内の機密情報が流出したケースも実際にあるという。
ファイルレスマルウェアには多層的なフィルタリングで対抗
石丸さんは「コロナ禍でリモートワークが増える中、環境整備でコストがかさみ、セキュリティがおろそかになっているケースも増えている。OSやセキュリティソフト、定義データベースを定期的に更新し、できるだけセキュアな状態を維持することが必要だ」としている。
ファイルレスマルウェアに対しては「非常に検知しにくいものだが、メモリ上にいきなりマルウェアが現れることはあり得ない」とし「アンチウイルスの機能を上手に使うことで、検知しにくいファイルレスマルウェアに多層的なフィルタリングで対抗していくことが重要だ」とした。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
この記事の著者
関連記事
こんなメディアも見られています
ITmedia NEWSに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
SpecialPR
本日の新着記事
アクセスランキング
-
1
陸自が「イオンモール熊本」内部をドローン撮影 防衛省が映像公開
-
2
PayPayアプリで熊本地震への寄付が可能に 最短3ステップ・1円から
-
3
「Xが情報収集に役立たない……」熊本地震で不満の声続出 「Twitterを返して」
-
4
TSMC熊本工場、段階的に通常操業へ 熊本の地震で一時中断、従業員の無事確認 台湾報道
-
5
熊本「通れた道」マップ、トヨタが公開 ホンダも「通行実績情報マップ」
-
6
熊本で非常時Wi-Fi「00000JAPAN」発動中 KDDIが無料開放、他社ユーザーも利用可
-
7
農水省の“クソダサ”ポスター話題 「AIよりよっぽど良い」の声も 担当者に狙いを聞いた
-
8
「痺れるほどにミスを繰り返す」Gemini 3.6 Flashは変わった? 公開から1週間、当初のおバカ回答を今検証する
-
9
Anthropicのミュトス、暗号アルゴリズムの新たな攻撃法を発見――耐量子署名「HAWK」の強度を半減
-
10
“脳のゴミ”は鼻から捨てられていた? 老化で詰まる排出路、薬を鼻から投与で改善 韓国主導チーム研究
ITmedia NEWS SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
ITmediaNEWSをフォロー
あなたにおすすめの記事PR