小寺信良のIT大作戦
新機能「サークル」でTwitterはどこへ向かうのか(3/3 ページ)
Twitterの強みとは
やはりストレートに、普段使いで限定公開するサークルを作るべきだろうか。だがそうした「特に仲のいい身内」への伝達であれば、わざわざ文字数制限があるTwitterを使うまでもない。少人数ならLINEがあるし、中規模ならオジサンはFacebook、30代以下はInstagramがある。そこまでTwitterに忠誠を誓う必要がなくなっている。
総務省が令和3年(2021年)8月に公開した「令和2年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書」によれば、SNSのメインユーザー層は10代~20代が中心となっている。
SNSについても、LINEはいわゆる個人・少人数連絡用ツールとして盤石の地位を固める一方で、Twitterの利用者も伸びてはいるところだが、令和2年(2020年)でついにInstagramが肩を並べてきた。年代別に見ても、SNS主力層である10代~20代ではすでにInstagramが追いついている。
SNSはすでに1つのサービスに依存するものではなく、複数のサービスを併用するものとなった。日本においてTwitterは、SNS御三家の1つとはいえるが、トップではなくナンバー3のポジションである。
だからこそテコ入れが必要なのだろうが、オープンがウリのTwitterの中にもう1つ塀を作ることにメリットがあるとするならば、それはオープン型SNSが破綻し始めたということであり、クローズド型への反転が始まったという解釈もできる。
LINEとInstagramにはないTwitterの強みとは何か。それは、拡散性の強さである。災害時の現場情報がいち早くTwitterに流れるというのは東日本大震災以降に産まれた日本独自の慣習であり、今や地震があれば皆NHKではなくTwitterを見る。これは他のSNSにはない強みではないだろうか。
一方で拡散性の強さ故に炎上しやすいし、デマの温床となりがちという側面がある。全世界の利用傾向からすれば日本は特殊なのだろうが、われわれが欲しいのは、拡散性の強さを残しつつ、デメリットを押さえる施策だ。
少なくとも日本においては、「サークル」はキラーコンテンツにはならないだろうと予測するのだが、さてどうなるだろうか。くれぐれも「ここに書けばバレない」という勘違いが広まることがないようにしたいものだ。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
小寺信良のIT大作戦
ベテランのテクノロジーライターである小寺信良さんがIT分野全般にわたって考察する。
この記事の著者
関連記事
こんなメディアも見られています
ITmedia NEWSに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
SpecialPR
本日の新着記事
アクセスランキング
-
1
「Xが情報収集に役立たない……」熊本地震で不満の声続出 「Twitterを返して」
-
2
メルカリ、梨の転売疑惑に「盗品の出品は確認されず」 誹謗中傷には利用制限も
-
3
「こんなのに追われたら……」急斜面もやすやす爆走、中国製の車輪付き四足ロボのデモ動画が話題 最高時速20km超
-
4
検索結果に「詐欺ではありません」と表示させる詐欺手口、警視庁が注意喚起 AI要約も餌食に
-
5
はてな、11億円流出の調査報告書を公開 偽警察、口外禁止、残業・休出200時間超、孤立……ほころびが連鎖
-
6
Z世代に聞く次の流行、「AIイラスト」が1位に 「Claude Code」も上位
-
7
東野圭吾さん死去、Xなどで追悼相次ぐ 「ガリレオ」など数々の人気作、エンジニアから転身
-
8
NVIDIAやMicrosoftなど30社超、オープンAIの防御ツール共同開発の「Open Secure AI Alliance」設立
-
9
農水省の“クソダサ”ポスター話題 「AIよりよっぽど良い」の声も 担当者に狙いを聞いた
-
10
「あ、その情報メモしたい!」を叶えるワイヤレスイヤフォン、Nothing「Ear (3a)」
ITmedia NEWS SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
ITmediaNEWSをフォロー
あなたにおすすめの記事PR