荻窪圭のデジカメレビュープラス
ソニーの「サイバーショット」30周年 画期的なデザインと大胆な機構で注目を集めた“あの頃”(1/5 ページ)
先日、キヤノンの「Powershot 30周年記念モデル」を機に、Powershotの30年を振り返るコラムを書いたのだけど、考えてみたら30年前の1996年に登場したデジタルカメラのブランドってすごく多かったのである。
前年の95年に世界初の「液晶モニター搭載デジカメ」であるカシオの「QV-10」が誕生した。それ以前にアップルの「QuickTake100」(94年)、コダックの「DC-40」(95年)、富士フイルムからは「DS-220」(95年)が登場していたが、いずれも液晶モニターはなし。リコーの「DC-1」(95年)もあったが、これは液晶モニターが外付けだった。
QV-10を追って、各社から液晶モニター内蔵デジカメが続々登場したのが96年で、ソニーはサイバーショット1号機である「DSC-F1」を投入したのである。だから、今年30周年を迎えたのはPowershotだけじゃないのだ。
ちなみにソニーは今年3月、「My Sony」の壁紙ダウンロードページに、DSC-F1のオリジナル壁紙を追加した。特に30周年はうたってないけど、意識はしてたに違いないと思う。
というわけで、今回はサイバーショット(Cyber-shot)30周年記念コラムである。
実用度は低かったがデザインが画期的だった初期サイバーショット
初代サイバーショットは「サイバー」に相応しいデジタル時代ならではの画期的な素晴らしいデザインで登場した。今見てもドキドキするくらいである。
ボディの上部にあるカメラ+フラッシュは回転式で、ローアングル撮影のみならず、180度回すと自撮りもできるという斬新さで、QV-10とはまた違った意味で未来を感じさせるデザインだったのだ。
ただ、初代モデルはバッテリーの持ちがすごく悪い(レビューを書くために持ち出したはいいけど、それほど撮らないうちにバッテリーが切れて使えなくなった記憶がある)、写りは「写真」というより「ビデオから1フレームを切り出したような」ビデオっぽさを持っていて、黎明(れいめい)期ならではの欠点も散見されたし、記録先も内蔵メモリーしかなかった(初代機は4MB。後にちょっと増えた)。
それらの欠点が解消され、200万画素にアップして登場したのが「DSC-F55K」(99年発売)である。ソニーが日本初のトランジスタラジオの「TR-55」や大ヒットしたパスポートサイズハンディカム「CCD-TR55」になぞらえて、DSC-F55Kもソニー本気の「55」だという話が飛び交っていたほど。このDSC-55Kで、初めて「メモリースティック」が採用になる。
その後、04年の「DSC-F88」でズームレンズを搭載したが、このレンズ回転スタイルはここで終了。結局、市場はデジタルならではの新しいデザインのカメラではなく、四角い昔ながらのカメラのスタイルを選んだのだなと思った記憶がある。
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