シャープ初のハンディファンは何が売りなのか 1万円というプライスを納得させる“3つの安心” 自宅で検証してみた(2/3 ページ)
動作モードは、風量の「弱」「中」「強」に、ファンが動いたり止まったりする「リズム」モードを加えた4つ。電源ボタンを押すとトグル動作で切り替わる。
計測してみると、風量「弱」の騒音は35.7dB前後だった。「図書館の中」や「静かな住宅地の昼」に例えられるレベルの静かさだ。音が低めということも手伝い、例えば仕事中の机に置いて動かしても全く気にならない。それでいて心地良い風が届く。これはいい。
「中」では43.6dBと少し音が大きくなったものの、人前で目立つほどではない。「強」では53.5dBとなり、さすがに周囲にもハンディファンの音は届くものの、うるさいとまでは感じない。高音域を低減するように調整した成果が十分に出ている。
駆動音については全体的にかなり優秀だと分かった。電車やオフィスに持ち込んでも周囲に「うるさい」と言われることはまずないだろう。
暑さに耐える筐体
2026年は6月こそ気温が低めだったが、どうやら7月中旬に夏本番を迎えたようだ。ここ数日、西日本を中心に最高気温が35℃を超える「猛暑日」が記録されている。
そして暑さが本格化すると、リチウムイオンバッテリー関連の火災も増える。東京消防庁によると、25年のリチウムイオンバッテリー火災は7月の43件、10月の42件、8月の41件と、夏場に多かった。
シャープのハンディファンは、そうした不安を払拭するため、最大60℃の環境でも動作するリチウムイオン電池を採用し、周囲を難燃材料を練り込んだ樹脂とアルミ素材で覆う構造とした。アルミニウム製の筐体は環境温度40℃まで対応する。
ただしハンディファンの場合、事故の直接的な原因として挙げられるのは「暑さ」よりも海外製品に多い粗雑な作りや、落下などの衝撃。NITE(製品評価技術基盤機構)の資料でも、安全機構のないリチウムイオン電池が用いられていたケースや電池セルの不具合など、メーカーや輸入業者の品質管理が問われる事例が多いのが実情だ。
シャープはここに目をつけた。落下による故障はともかく、リチウムイオンバッテリー火災の報道などで品質面に漠然とした不安を抱えている人が多い中、「われわれの安全基準は高いです」と訴求することでヒットにつなげる考えだ。主なターゲットは「これまでハンディファンを購入していなかった層」という。
例えば電車の中で、周囲の人に「うるさいの使いやがって」と思われたくない人に向けて駆動音を静かにした。自分の汗の臭いやミドル脂臭が拡散することを気にする人のためにプラズマクラスターイオン発生器を搭載した。そしてリチウムイオンバッテリーの事故を気にする人のために強固な作りにした。
ちょっと値は張るけれど、これまでハンディファンを使ってなかった人達の抱える漠然とした不安に向き合った。シャープのハンディファンは、そんな製品だ。
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