「ここから先は残したい」ですぐ録音 AIリング「Vocci」はAIと仕事をする人にちょうどいいデバイスだった(3/3 ページ)
会話の記録を、後から仕事へ戻したい人へ
こういう使い方を続けるなら、充電と料金は先に見ておきたいところです。リング本体は小さいぶん、充電の手間は気になります。
今回の試用では、1時間を超える録音でバッテリーが約3割減りました。録音以外の操作、同期、通信環境、開始時の状態を切り分けた測定ではないため、これを一般的なバッテリー駆動時間として扱うことはできません。公式によると、リング本体は最大8時間の連続録音に対応し、充電ケースはリングを3回フル充電できます。
長時間のイベントを連続して記録するなら、残量はこまめに見ておきたいところです。その点、アプリで残量がすぐ分かるのは助かります。充電の必要がなくなるわけではありませんが、残量を把握できずに不安になることは減ります。
クラウドサービスの料金プランには、無料の「Starter」もあります。この場合、文字起こしは月300分、Vocci AIチャットは月30回、クラウドストレージは2GBまでという上限がある一方で、多言語対応、話者ラベル、元音声のファイル書き出し、自動文字起こし・AI要約、要約テンプレート、Vocci MCPサーバなどの利用もプランに含まれています。
月300分という上限は、毎日ガンガン録音する使い方には足りないでしょうが、月に数回の打ち合わせやイベント参加くらいなら無料プランでも十分に試せそうです。
つまり、無料プランは機能をほとんど触れないお試し版というより、利用量に上限のある基本プランと考えた方が近いでしょう。使い込んで、より長い文字起こし時間やAI利用回数、クラウド容量が必要になったところで、有料プランを考える構造です。
有料の「Plus/Pro」プランは、文字起こしが1200分(Plus)や無制限(Pro)になるなど、使い込みたい人向けの内容です。注意したいのは、Apple App Store、Google Play、Vocci.aiのどこで契約するかで価格が異なること。iPhoneのApp Storeでは、Plusが月額3000円または年額2万2000円、Proが月額6000円または年額4万5000円。Google Playでは、Plusが月額3380円または年額2万5800円、Proが月額6400円または年額5万700円です。
Vocci.aiで直接契約する場合は、Plusが月額15.99米ドル、年額119.99米ドル(表記上の月額換算は9.99米ドル)、Proが月額29.99米ドル、年額239.99米ドル(同19.99米ドル)となっています。本体の購入価格とは別です。価格は改定、キャンペーン、地域設定、税、為替で変わる可能性があるため、実際に契約する直前の表示を確認してください。
Vocci本体は、日本ではGREEN FUNDINGでクラウドファンディングを実施しています。支援プランは46%オフの2万9990円からとなっています。
自分の仕事の流れに合わせるAIリング
現在、指輪という形で録音し、AIと連携するリングデバイスというのは、いくつかの製品が出ています。同じ「会話を記録する」製品でも、目指すところは同じではありません。必要な機能を絞り、価格や気軽さを優先する製品もあります。
一方で、会話を残し、文字起こし・要約し、AIや外部ツールまで接続して、自分の仕事の流れに合わせることを優先する選択肢もあります。Vocciは明らかに後者です。
そのぶん、リングの大きさ、バッテリー残量、処理を待つ時間、サブスクリプションの上限といった負担はあります。けれど、イベントや取材で得た会話を自分の文脈として残し、後から記事、メモ、タスク、AIとの対話につなげたい人には、単なる録音機以上の意味を持つでしょう。
会話を記録するかどうかではなく、残した会話を、その後何に使いたいのか。そこから考えると、Vocciの立ち位置は見えてきます。そこが、Vocciを選ぶ理由になるのだと思います。
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