「給与維持の週休3日制」AI効率化で実現 しかし社員が喜ばず……なぜ? 「ライザAI」提供企業で起きたこと(3/3 ページ)

導入から4カ月、課題はあるのか?

 導入から約4カ月。佐々木CEOは週休3日制の運用にほとんど課題を感じていないという。一度増やした休日を一方的に減らすことは、労働条件の不利益変更に当たる可能性もあり、「基本的には元に戻せない一方通行の変更になる」という覚悟で始めた。狙い通りの成果が得られ、休日のさまざまな経験が社員の成長につながることも期待できるため、週休2日制に戻すことは想定していない。

 では、AIの活用が企業活動に徐々に浸透していく中、週休3日制は他の企業でも機能する可能性があるのだろうか。そう問うと、佐々木CEOは企業風土との相性も重要になるとの認識を示した。

 「私たちの会社は新しいアイデアを形にするスタートアップなので、自分が証明したい仮説を持っている社員が多くいる。『こういうものを作りたい』『こういう世の中をつくりたい』という強い思いがある人にAIという武器を渡せば、生産性を上げられる可能性は高い。一方で、良い悪いということではなく、指示された仕事をこなすことが中心の企業では、休日が増えるだけで終わってしまう可能性もある」

 もっとも、AIの急速な進化で企業間の競争が激化する中、DXの推進や生産性の向上は業種を問わず喫緊の課題だ。週休3日制に限らず、従来の仕事の進め方を変えるには、時にはSpiralAIが投じたような劇薬が必要になるかもしれない。

 佐々木CEOは「DXがなかなか進まない業界もあるとは思うが、できない理由ばかり挙げていても改革は進まない。例えば、メールの作成にAIを活用することなどは、どの業界でもできること。作業効率の10~20%向上は十分に可能。できることを見つけて、着実に取り組んでいくことが大切」と強調する。

 同社は今後、定型業務やバックオフィスの管理業務の多くをAIに任せ、社員が企画やものづくり、取引先との対話にさらに集中できる組織を目指す。事業面では、日本のIPコンテンツを世界に届ける取り組みに注力する考えだ。佐々木CEOは「言語の壁を越えられるAIの強みを生かし、日本発のエンターテインメントを海外に広げていきたい」と理想を語る。

 働く時間を減らしながら生産性を高め、増えた休日での多様な経験を通じて社員の感性や創造性を育む。SpiralAIの週休3日制の導入は、AI時代に求められる人材を育てるための一つのヒントになりそうだ。

佐々木CEO
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この記事の著者

長嶺真輝
長嶺真輝

ながみね・まき。沖縄拠点のスポーツライター、フリーランス記者。 2022年3月まで沖縄地元紙で10年間、新聞記者を経験。 Bリーグ琉球ゴールデンキングスや東京五輪を担当。金融や農林水産、市町村の地域話題も取材。

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