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PMA 2004で見つけた“気になる10機種”(3/3 ページ)

» 2004年02月17日 08時53分 公開
[本田雅一,ITmedia]
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“デジタル”カメラから“ただの”カメラへ

 近年、カメラ業界のデジタル化は急速に進んでいたが、今回のPMAではそうしたデジタルシフトが、さらに明確にカタチ(製品)として現れていたように思う。これまでデジタルカメラは、あくまでも“デジタル”カメラであって、普通のカメラとは異なるカルチャーを形成していたように見えた。しかし、そろそろ“デジタル”と冠する必要はなくなってきている。

 たとえばコダックは、1400万画素機のDCS 14nを改良したDCS Pro SLR/nを展示したが、この機種の投入とともに、それまでのプロ向け定番製品だったProBackシリーズ(645フォーマット機向けデジタルカメラバック)の生産を完了させた。DCS Pro SLR/nで採用した新しいCOMSセンサーの性能が大幅に向上したため、中版カメラクラスの画質を実現できたからだという。

 ハイアマ向け製品では、ミノルタのα-7 Digital(仮称)や、モックアップのみの展示に終わったがボディとの一体感が増した富士写真フィルムのFinePix S3Pro、それにエプソンが参考展示したレンジファインダー式デジタルカメラなど、カメラ本体の充実も見逃せないが、その周辺がデジタル対応を進めてきている点をここでは挙げたい。

 たとえば交換レンズ。レンズメーカー製のデジタルカメラ向けモデルは、シグマがもっとも多くのモデルをラインナップしてきたが、それに追随するカタチでタムロンも徐々にデジタル対応モデルを投入。PMA 2004ではタムロン製レンズの中でも評価の高い90ミリマクロがデジタル対応した(そのほか200〜500ミリ/F5〜F6.3ズームレンズもデジタル対応で発売)

 またトキナーが、一眼レフデジタルカメラ用センサーの主流となっているAPS-Cサイズのセンサーのみをサポートした12〜24ミリ(F4.0)を発表。135フォーマットのフルサイズをサポートする製品がシグマから発売されているが、イメージサークルを小さくすることで軽量コンパクトに仕上がっている。価格に関しては未定としながらも「かなり安いですよ」とは現場にいた担当者の弁。

 交換レンズの開発においてデジタルカメラ市場を視野に入れるだけでなく、小さなAPS-Cサイズセンサーを前提にした設計を複数メーカーが取り入れている。ローエンドのコンパクトカメラがそうであるように、一眼レフフィルムカメラが店頭からほとんど姿を消してしまう日は、そう遠くないのかもしれない。少なくともカメラと言えばデジタルカメラ、フィルムを使うカメラを“銀塩”カメラと必ず呼ばなければならない日は近そうだ。

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