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量子鍵暗号技術を活用した世界初のVPN用装置、日商エレが国内販売

» 2004年03月02日 16時23分 公開
[ITmedia]

 日商エレクトロニクスは3月2日、世界で初めて量子暗号鍵配信技術を活用したVPN暗号化装置の販売を始めると発表した。米MagiQ Technologiesが開発した「Navajo」(ナバホ)で、盗聴の有無が確実に分かるのが特徴。国防関連機関や金融分野など、高度なセキュリティが必要とされる分野に売り込む。

 量子暗号は量子物理学に基づいた暗号技術。第三者が盗聴しようとすると内容が無意味になる上、盗聴されたことが必ず判明する究極の暗号として各国で研究が進められている。

 暗号鍵は光子一つ一つに乗せるため、長距離通信が難しい点が課題だった。Navajoは距離120キロの光ファイバー通信が可能で、遠隔地間バックアップ用途にも使用可能という。量子暗号化は鍵配信に使い、データ自体の暗号化はAESなどを採用している。

 価格は1台2000万円から4000万円。2006年度で20億円の売り上げを見込んでいる。

 MagiQは1999年に設立。2003年2月の「DEMO 2003」で量子暗号の実用化システムを発表し、同年11月に製品化した。Amazon.comのジェフ・ベゾスCEOが出資したことで知られる(関連記事を参照)。

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