市場調査会社の米IDCと米Gartnerは4月14日、それぞれ1〜3月期の世界PC出荷台数統計(速報値)を発表した。いずれも、DellがHPから再び市場シェア首位を奪還したと報告し、法人需要の拡大を指摘している。
IDCの速報値では、1〜3月期の世界PC出荷台数は約4120万台で前年比16.5%増。「法人需要の拡大によって米国と欧州が予想以上に伸びたこと、および積極的な価格設定と引き続きのノートPC需要」により、同社の予測値13.5%を上回る伸びとなったと報告している。
Gartnerの速報値では、1〜3月期の世界PC出荷台数は約4530万台、前年比13.4%増となっているが、同社も法人のPCリプレース増を指摘、「当社の予測モデルに基づくと、今年1年を通じて強いPCリプレース需要が見込める」としている。
PCベンダー上位5社の世界PC出荷台数は、5社とも前年同期比で2けた増となった。
再び市場首位に立ったDellの1〜3月期世界PC出荷台数は、IDCの報告では前年比28.2%増、Gartnerの報告では28.6%増。
IDCによると、Dellは市場シェア18.6%を確保し、2位のHP(シェア15.6%)を3ポイントリードした。このDellとHPのシェアの差は、2002年のHPとCompaqの合併以後、最大だという。
Gartnerの報告では、Dellのシェアは16.5%、HPのシェアは14%となっている。「HPは過去数四半期と比べると伸びが弱かった。同社は年初、米小売市場で在庫過多に悩まされた」とGartnerは指摘している。ただし3月末までには在庫も通常レベルに戻ったという。
Gartnerでは「1〜3月期は全地域でPC出荷台数の伸びが見られたが、伸び率は欧州・中東・アフリカ(EMEA)市場の17%から日本市場の約6%までの幅がある」と指摘。またIDCでは日本市場について、「1〜3月期はビジネス分野での需要によって10%近い伸びが見られたが、2004年通期では成長率は1けた台にとどまり、ほかの地域よりも回復が遅れるだろう」としている。
2004年1〜3月の世界PC出荷台数(IDC速報値)
ベンダー | 出荷台数(千台) | 市場シェア | 前年比台数伸び率 |
---|---|---|---|
Dell | 7,684 | 18.6% | 28.2% |
HP | 6.416 | 15.6% | 15.8% |
IBM | 2,267 | 5.5% | 20.4% |
Fujitsu/Fujitsu Siemens | 1,892 | 4.6% | 15.4% |
Acer | 1,375 | 3.3% | 36.5% |
そのほか | 21,603 | 52.4% | 11.7% |
計 | 41,238 | 100% | 16.5% |
2004年1〜3月の世界PC出荷台数(Gartner速報値)
ベンダー | 出荷台数(千台) | 市場シェア | 前年比台数伸び率 |
---|---|---|---|
Dell | 7,493 | 16.5% | 28.6% |
HP | 6,334 | 14% | 16.4% |
IBM | 2,243 | 4.9% | 20.2% |
Fujitsu/Fujitsu Siemens | 1,834 | 4% | 12.8% |
Acer | 1,384 | 3.1% | 35.4% |
そのほか | 26,026 | 57.4% | 7.7% |
計 | 45,314 | 100% | 13.4% |
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR