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佃煮の日「クソダサポスター」ホントにAIに作れない? GeminiとChatGPTに挑戦させてみた結果

» 2026年07月07日 10時00分 公開
[岡田有花ITmedia]

ITmedia NEWS Weekly AccessTop10

2026年06月27日〜07月03日
順位
記事
ITmedia NEWSにおける1週間の記事アクセス数を集計し、上位10記事を紹介する「ITmedia NEWS Weekly Top10」。今回は2026年06月27日から07月03日までの7日間について集計し、まとめた。

 先週のアクセス3位は、農林水産省の公式Xが6月29日に投稿した「佃煮の日」ポスターが、良い意味で“クソダサい”と話題になったという記事だった。派手派手なグラデーション、集中線、目が飛び出した3人組──2000年代のWordで作ったような既視感が凝縮された、味わい深いポスターである。

画像 話題になったポスター

 コメント欄には「AIには出せない温かみがあって好き」「AI使わないところがほんと良い」という声が目立ったという。

 ……でも待ってほしい。今のAIなら、こういう雰囲気も作れるのでは? というわけで、ChatGPT(5.1high)とGemini(3.1Pro)にチャレンジさせてみた。

AIは、描き込みすぎる

 まず両者に「2000年代風の、派手なグラデーション満載のクソダサポスターを作って」など指示し、元ポスターの要素を伝えた。

画像 プロンプト
画像 ChatGPTが生成したもの。パチンコ屋か?

 いや全然違うやろ! 描き込みすぎだしリアルすぎだし色が多すぎる。まったく「2000年代のWord」っぽくない。そもそも「2000年代」という指示が曖昧すぎたのかもしれないが、Wordでこれは作れない気がする。

 そこで「もっとシンプルに」と指示してみた。色は減ったものの、シンプルとはとても言えない。ダメだこりゃ。

画像 シンプルには……なったけど……

 次にGeminiで作ってみた。同じプロンプトを前提にしつつ、「解像度は低め」など、レトロ感を出すための指示を少し加えてみた。

画像 Geminiが生成したポスター

 なかなかいいところまで来た。ただ、当時のWordのグラデーションの雰囲気と違う。そこで「Word 2003で」と細かく指定したら、雰囲気はさらに近くなってきたが、なぜか横長になった。

画像 Geminiの指令に「Word 2003で」という指示を加えたもの

AI本人に聞いてみた

 行き詰まった筆者は、ChatGPTに「これをAIで再現するならプロンプトはどうなるか」と聞いた。すると「蛍光グリーンのベタ背景」「WordArt風の文字」「写真はあえてポスターに馴染みすぎない実写」など、ものすごく長文のプロンプトを提案してくれた。

 それを使うと、確かにかなり近づいた。

画像 ChatGPTが出してきたプロンプト案
画像 そのプロンプトで、Geminiでやってみた。かなり近づいたけどなんか違う

 でも違う。バランスが良すぎるのだ。文字のバランスが良く、余白が均等だし、謎の顔文字はまん丸。どこか整っていて、心に刺さらない。

 ……そもそも、AIが書いたプロンプトをAIに入れて、私はいったい何をやってるんだ? 世界のコンピューティングパワーと電力をこんなことに使って申し訳ない。

アイデアと手作業こそ「人間のもの」かも

 やってみて分かったのは、「なつかしい」ポスターは結局、人間のディレクションと記憶がベースになって初めて作れる、ということだ。AIは描き込みすぎるし、バランスが良すぎる。記録の参照はできても、「あの頃こういうの、あったよねえ」という本当の記憶は持っていないし、手作業らしいズレもなかなか再現できない。

 本物の農水省ポスターは、人間が一発のアイデアでサクッと作ったように見え、配置のズレも味わい深い。人間のアイデアと手作業だけで、AIより面白くて強いモノが作れるなら、それが一番いい。電気も使わないし。農水省のポスターを見ながら、そんなことを思った。

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