5月11日に東京ビッグサイトで始まった「ビジネスシヨウ TOKYO2004」会場では、セキュリティ関連製品を出展する企業のブースが注目を集めている。個人情報漏えい事件が相次いでいることを受けて、情報漏えいを防ぐ製品が特に人気だ。
どんなファイルでも設定時間に自動消去――エヌ・エス・イーとアイ・エックス・アイ、サイエンスパークの3社が開発中のファイル自動削除ソフト「時限くん」。指定した日時に特定のファイルを自動的に完全削除する。ファイルはコピー不可にしたり、印刷不能にもできる。ファイルを読み取る側のPCには特別な設定は必要ない。
「これまで、特定の形式のファイルを指定時間に自動削除できる製品はあったが、ファイル形式に関わらず完全削除できるのはこれが初」(説明員)。ASPサービス形式の製品を夏に、パッケージ製品を秋に発売する予定だ。ASPサービスは、映像や音楽などのコンテンツを配信する企業などに、パッケージ版は、機密情報を含んだファイルを外部業者とやりとりしている企業向けに売り込む。
シーピーアイは、USBメモリをキーにしてサーバにアクセスするソフト「マイ・ディア・ドライブ プロ」を出展。専用のUSBメモリをクライアントPCのポートに挿している間だけ、LAN接続したサーバ内の隠しファイルを表示できる。USBキーには「マスター」と「スレーブ」2種類があり、マスターキー所持者はスレーブキー所持者のデータへのアクセスを制限できる。上司やセキュリティ管理者がマスターキーを、部下がスレーブキーを持つという使い方を想定している。6月発売予定で、マスター、スレーブキー各1個つきで20万790円(税込み)。
「来年4月からの個人情報保護法の本格施行に向け、今年は企業向けセキュリティ製品のニーズが高まるだろう」と期待する同社。セキュリティ意識の高まりを追い風に、売れ行きが鈍かった個人向け情報保護ソフトの売り上げアップも狙う。
HDD内のデータを強力な磁気によって完全消去する「ハードディスククラッシャー」を2年前から販売してるオリエント測器コンピュータでは、最近になって企業からの問い合わせが増えた。「個人情報を5000人分以上管理する企業に設置が義務付けられた個人情報管理者からの問い合わせが特に多い」という。「ハードディスククラッシャーは、情報セキュリティ規格『ISMS』認証取得企業のほとんどで採用されており、セキュリティ関連の認証取得をめざす企業が増えれば売り上げも伸びるだろう」とそろばんをはじいている。
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