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どこまでが「不正アクセス」かが争点に

» 2004年05月26日 13時01分 公開
[ITmedia]

 コンピュータソフトウェア著作権協会(ACCS)の個人情報流出事件で、不正アクセス禁止法違反で起訴された元京都大学研究員の公判では、不正アクセス禁止法の守備範囲が争点となりそうだ。

 弁護側は「不正アクセス禁止法は新しい法律で判例も少ない」と前置きした上で、「パスワード認証などのアクセス制御がない領域へのアクセスは、同法では不正アクセスとして想定されていない。これを有罪とするのは、刑法で禁止されている類推解釈にあたる」と無罪を主張した。

 検察側によると、元研究員が個人情報の入手法をプレゼンテーションで公開したとされるセキュリティイベント「A.D.2003」で元研究員のプレゼンテーションを聞いた参加者は「研究員の方法では不正アクセスにあたるのではないか」と考え、別の方法でアクセスを試したと話したという。

 ACCSは初公判について、「同法が定める『不正アクセス』とは何かについてコメントする立場にない」としながらも、「取得した個人情報を公衆に開示するという行為は許すことができない。厳重処罰を希望する」とコメントしている。

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