マイクロソフトは6月17日、ソフト開発ツール「Visual Studio .NET」(VS)の学生向けパッケージ「Visual Studio .NET theSpoke Premium 2003」を6月25日から4830円(税込み)で店頭販売すると発表した。併せて学生向けのコミュニティサイト「theSpoke JAPAN」を同じく25日から公開する。
通常版「Professional 2003」は推定小売価格で12万8000円、アカデミック版も実売価格は2万9800円程度。VS theSpoke Premiumでは価格を大幅に引き下げる代わり、パッケージにプロダクトキーを入れず、学生証を確認した後に送付する形式を採る。
ソフトウェアはアカデミック版と同等。「Visual Basic .NET 2003」「Visual C++ .NET 2003」「Visual C# .NET 2003」「Visual J# .NET 2003」ほか、デバッガなどのツールを含む。
対応OSはWindows 2000 SP3以上/XP/Server 2000 SP3以上/Server 2003。
また米国で2月にオープンしたtheSpokeの日本版も公開する(関連記事参照)。theSpokeはブログ、掲示板といった機能を備え、学生間の情報交換を促す。このほか、興味・関心の似たメンバーでtheSpoke内に小規模なグループを作成できるプライベートハブ機能なども持つ。
同社は今後3年間で、数十万人規模の国内会員獲得を目指す。
マイクロソフトは3月に学生向けイベント「The Student Day」を開催。ここで上がった「VSはアカデミック版でもまだ高い」「学生同士で議論、学習する場がほしい」──といった声に対し、思い切った値下げとコミュニティの開設で応えた。
古川享執行役最高技術責任者は「パッケージ版の販売は日本独自」だと話す。
米国のtheSpokeでは、有料会員にはVSアカデミック版のダウンロードを認めている。しかし会費の支払いにはクレジットカードが必要。米国ならほとんどの大学生がクレジットカードを持っているが、日本の学生のカード所有率は高くない。さらにダウンロード容量も約3.5Gバイトと超重量級だ。
こうした問題点を踏まえ、「日本のお客の声を聞き、当社の若手営業マンが米国と違う流通形態を日本で実現したいと考え、本社を説き伏せた」。
古川氏は4月の説明会で、若手をはじめとする「能力がありながらマイクロソフト社内でくすぶっている社員に活躍できる舞台を用意する」と話していた(4月22日の記事参照)。今回はさっそくその成果が現れた形。IT業界の活性化へ、学生を含めた若い世代の活躍に期待をかけている。
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