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BEA、Javaオープンソース化への姿勢表明へ

» 2004年06月29日 20時31分 公開
[IDG Japan]
IDG

 今年2月、IBMがSun Microsystemsに対し、Javaをオープンソースにするよう求める公開書簡を送ったのがそもそもの発端だった。IBMは、オープンソース化により、Javaの技術的到達点は広がり、さらなる革新が生まれると主張。Sunはその意見に注意深く耳を傾けているものの、解決しなければならない問題が山積していると指摘する。

 BEAは、IBMと並ぶJavaアプリケーション・サーバ・ベンダーで、この問題に対して賛成とも反対とも立場を表明していない。しかし、6月30日に開催を予定しているJavaOneでの講演で、最高技術責任者であるスコット・ディーツェン氏がBEAの考えを明確にする構えだ。JavaOne開催中の28日に行われたインタビューで同氏が明らかにした。

 ディーツェン氏は講演に先立ってBEAのスタンスを明らかにするのは避けたい様子だったが、BEAはJavaをオープンソースにしたい考えのようで、その方法についてBEAからの提案を講演で述べる予定だ。

「われわれの意向をここで宣言する以前に、IBMからもSunからも、どのようにJavaをオープンソース化するか、という問題について具体的な提案を何も聞いていない。解決すべき複雑な問題がいくつか存在する」とディーツェン氏。

 問題になるものの一つは、Javaのどの部分をオープンソースにすべきか、という点だと同氏は指摘する。オープンソースJavaが複数の非互換システムでバラバラにならないように保証する「コンプライアンス」をどうするか。Sunの幹部も同様の懸念を明らかにしている。

 「Javaコミュニティにおいては、プラットフォーム間での互換性の高さが最も高い評価を受けている。オープンソースによって分断化が起こるのは、Javaベンダーにとってよいことではない。たくさんのデベロッパーがランダムに革新をし始めたら、それをどのようにとりまとめていくのか。われわれがどのような考えでいるのかは、30日の講演を聞いてほしい」とディーツェン氏は語った。

 カンファレンス参加者の一人は、Javaのオープンソースモデルは分裂をもたらすと、懐疑的だ。デベロッパーは一般的にJava製品間での互換性を評価しており、その点において妥協することはない、とプリペイド方式クレジットカードのベンダーであるNetSpendの上級ソフトウェアデベロッパーであるキース・シブソン氏。

 バグフィックス期間の短縮など、オープンソースモデルにもメリットはあるが、まず第一にプロプライエタリな製品のほうが直すべきバグが少ないこともある、とシブソン氏は指摘する。結局のところ、Javaがオープンソースになろうがなるまいが、あまり気にしないという。

 ディーツェン氏のJavaOne講演の後で、Sun、IBMのエンジニアとスタンフォード大学教授のローレンス・レッシグ氏、IT書籍発行人のティム・オライリー氏らによるパネルディスカッションが開催される。

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