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Windows XP SP2、まずは英・独版から

» 2004年07月13日 14時23分 公開
[IDG Japan]
IDG

 Windows XP Service Pack(SP)2はまず英語版とドイツ語版が提供される。他国語版Windows XPのユーザーは、セキュリティを重視した待望のアップデートとなるSP2を入手するまでもっと長く待たねばならない。Microsoft担当者が7月12日に明らかにした。

 SP2の他国語版は、英語版・ドイツ語版のリリース後、間を空けてリリースされる。Microsoft広報担当者は、「地域によって数日あるいは数週間遅れる」と説明している。Microsoftはテスト版の提供も英語版とドイツ語版で進めている。

 MicrosoftでWindowsクライアントビジネス担当上級副社長を務めるウィル・プール氏は、トロントで同社が開くWorldwide Partner Conferenceの基調講演で、同社はSP2関連の作業を終え、来月には製造工程に向けてコードをリリースする見通しだと明らかにした(7月12日の記事参照)。SP2は8月中に最初のユーザーの手元に届くはずだと同社広報は話している。

 製造工程向けリリース(RTM)で、Microsoftはすでに遅れているサービスパックをユーザーの手元に届けるプロセスを始めることになる。配布はWindows Updateの新バージョンであるVersion 5経由で行われる。この新版アップデートサービスには、特にダイヤルアップユーザーにとって便利な機能として、大容量のSP2ダウンロードを一時中断して、後で再開することが可能なスマートダウンロード技術が搭載されている。同社によると、大部分のユーザーがダウンロードするサイズは、80M〜100Mバイトになる。

 SP2の主な配布経路はWindows Updateになるが、MicrosoftはオプションとしてユーザーからCD-ROMの注文も受け付け、また小売店でもCD-ROMを提供する計画だ。さらにRTM提供から90日以内に、SP2を全PCにプリインストールして出荷する計画だとプール氏は基調講演で話した。

 MicrosoftはWindows XP SP2をサービスパックと称しているが、このアップデートはWindows自体のアップグレードに匹敵するものだと評価しているアナリストもいる。SP2にはバグフィックスとアップデートが含まれるが、新機能も搭載されており、Windowsの主要4分野(ネットワーク保護、メモリ保護、電子メールセキュリティ、ブラウジングセキュリティ)において大きな変化をもたらす。

 Windows XP SP2の最初のβ版は昨年12月にリリースされ、翌年3月にはリリース候補(RC)1が、6月にはRC2が登場した。既に数十万人のデベロッパーおよびITプロフェッショナルがこのソフトウェアを試用している。リリースされれば、MSにとって最も広くテストされた製品ということになるだろうとプール氏は述べている。

 「SP2をテストする目的で、過去に例のない規模で顧客と取り組んできた。事実上、過去最大規模のテクニカルβプログラムだ。80万人のユーザーがSP2をダウンロードしてインストールしている」(プール氏)

 Microsoftは、SP2で加えられた変更により、既存のアプリケーションが動作しなくなる可能性があると警告している。同社はすべてのデベロッパーと技術プロフェッショナルに対し、自身のアプリケーションがSP2と確実に連係するようにテストを行うよう要請している。

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