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MSのスマート腕時計に高級バージョンが登場

» 2004年07月28日 18時25分 公開
[IDG Japan]
IDG

 スイスの高級腕時計メーカーであるTissotが、米Fossil、フィンランドのSuuntoに続いてMicrosoftのSPOT(Smart Personal Objects Technology)を採用した腕時計を発売した。

 Tissotの新型腕時計「High-T」は、SPOTベースのいわゆる“スマートウォッチ”としては初めてタッチスクリーンを搭載。ユーザーは文字盤に触れることでニュースや気象情報、スケジュールの通知、メッセージなどの情報を受け取れる。受け取る情報はMicrosoftの会員制サービス「MSN Direct」を通じて選択する。

 TissotのHigh-Tは推奨小売価格が725ドルとSPOT腕時計の中で最も高価で、北米の装身具店のみで販売される。価格にはMSN Directサービスの6カ月分の料金が含まれる。同サービスの料金は年額59ドルまたは月額9.95ドルだ。

選択肢が拡大

 Tissotの製品が加わったことで、市販されているSPOT腕時計は合計7種類となった。

 Suuntoは2種類、Fossilは4種類のさまざまなスタイルの製品を提供している。価格は数百ドルで、Tissotのハイエンドな製品よりもはるかに手頃だ。だが、両社のハイテク腕時計の機能をフルに利用するには、MSN Directに加入する必要がある。

 シチズン時計もSPOT腕時計を提供すると見られていたが、Fossil製品の部品製造は行っているものの、独自モデルはまだ投入していない。

 SPOTはFM放送の無線ネットワークの一部を利用して、少量の情報をSPOT対応腕時計に送信する。Microsoftは今年初めにラスベガスで開催されたConsumer Electronics Show(CES)で、SPOT腕時計の初の製品と、SPOT対応のMSN Directサービスの発売を発表した。発売は当初計画より何カ月も遅れた。

売れ行き好調を強調するMicrosoft

 Microsoftによると、昨年の年末商戦には間に合わなかったものの、これまでにSPOT腕時計は何千個も売れているという。Microsoftとパートナーは、今年の年末商戦での販売に勢いをつけるためのマーケティングキャンペーンを準備していると、同社のSPOT担当プログラムマネジャー、クリス・シュナイダー氏は語る。

 「MSN Direct対応の腕時計を購入した膨大な顧客が、このサービスに加入してくれている」とシュナイダー氏。「腕時計の大部分は10〜12月の時期に購入されるため、われわれは年末商戦の大成功を期待している」

 SPOT腕時計の魅力をさらに高めるため、Microsoftは映画やフットボールの情報などのコンテンツをMSN Directサービスに追加する計画で、腕時計メーカーも年末までに品揃えをさらに充実させる見込みだと、シュナイダー氏は話している。

 MSN DirectとSPOT腕時計は米国とカナダで販売されている。Microsoftは海外市場を視野に入れているが、同社の計画では、海外へのサービス展開は早くても来年からになる見通しだ。

 「欧州をはじめ、このビジネスが成り立つ地域への進出に目を向けている。だが、今年の年末商戦については北米市場に集中している」とシュナイダー氏。さらに同氏は、SPOT腕時計の海外発売に関しては、公表できるスケジュールはないと付け加えた。

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