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異例ずくめのWinny裁判

» 2004年09月06日 14時52分 公開
[岡田有花,ITmedia]

 9月1日の京都地裁は異例ずくめだった。約250人が傍聴券を求めて並んだWinny開発者の初公判。傍聴券は傍聴希望者が多い場合にのみ配布されるが、京都地裁では傍聴券を発行する裁判自体が1カ月に1回程度。地元記者は「こんなに並んだのは珍しい」と驚いていた。

 さらに傍聴人には、ボディチェックと持ち物検査が課された。かばんのファスナーは全部開けられ、携帯電話はもちろん、機械と見られるものは「どんな機能がついているかよく分からないから」(持ち物検査をしていた女性係員)としてすべて持ち込み禁止。ボディチェックでは全ポケットを探られた。公判の録音データをネットなどで公開されるのを警戒したもようだ。

 弁護側は冒頭陳述中、プロジェクターを使ってPowerPointの資料を壁に投影するという方法で、P2Pと従来のクライアント/サーバシステムとの違いを解説し、P2Pの可能性を力説した。

 弁護側は「ITに対する検察の根本的な無理解」を主張。裁判官向けに図による説明が必要と判断したようだ。ただしIT化が進んだとはいえ、こうした説明手法はまだ珍しい。法廷にはスクリーンが用意されていないため、壁に直接投影していた。

 初公判は、午前、午後にわたって4時間弱という長丁場。既に9月末の第2回公判から12月の第6回公判まで予定が決まっており、3週間に1度という集中審理的なスピードで進む予定だ。

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