ITmedia NEWS >
ニュース
» 2004年10月19日 15時11分 公開

PC出荷台数は「伸び鈍化、でも堅調」

大方の予想通り、PC買い換えが進んだ2003年と比べ、今年はPC出荷の伸びが鈍化した。それでもIDCは「基本的には、健全かつ標準的な回復サイクルの一環だ」としている。(IDG)

[IDG Japan]
IDG

 調査会社のIDCとGartnerがそれぞれ10月18日に発表した調査報告によれば、2004年7〜9月期の世界PC市場は、予想されていた通り、出荷台数の伸びが鈍化したものの、市場としては依然、堅調さを保っている。

 IDCによれば、7〜9月期の世界のPC出荷台数は4420万台と、前年同期比で11.9%増加。一方、Gartnerは同四半期のPC出荷台数を前年同期比9.7%増の4690万台と算出している。

 IDCとGartnerはほぼ同じ方法でPC出荷台数を算出しているが、例えばホワイトボックスなどのように、Gartnerは数に含めているが、IDCは数に含めていないシステムもある。ホワイトボックスとは、主に地元のディストリビューターにより組み立てられ、販売されているノンブランドPCだ。

 IDCで四半期ごとの世界PC市場の動向調査を担当しているローレン・ラバード氏によれば、Dellは7〜9月期、世界のトップベンダーとして市場シェアを拡大し、市場全体の18.2%に当たる810万台のPCを出荷している。

 PC企業は2003年、「2000年以前に購入した古びたPCを買い換える時期だ」ということを企業ユーザーやコンシューマーに納得させることにようやく成功し、PC市場はうなぎ昇りの成長を続けていたが、その後、その勢いは減速している。ラバード氏によれば、大半のPCベンダーは2003年の業績が良すぎたため、必然的に2004年には成長の勢いは失速し、前年比の成長は厳しいものになると覚悟していた。

 Gartnerによれば、7〜9月期には米国PC市場では8%の成長が予測されていたのに対して、実際の出荷台数は5%の伸びに留まっており、米国市場ではこうした失速が最も顕著に見られたことになる。

 多くのアナリストは、世界のPC市場の成長は今年始めにピークを迎え、成長率は来年1けた台に減速すると予想していたが、Gartnerの数字は、そうした事態が既に起こっていることを示している。

 「基本的には、健全かつ標準的な回復サイクルの一環だ」とIDCのラバード氏は語っている。だがIDCは、10〜12月期の年末商戦期に向けたコンシューマーによる購入の動向を若干懸念している。10〜12月期は通常であれは、PCの購入が最も盛んとなる四半期だからだ。

 ラバード氏によれば、企業顧客向けの市場では年末商戦期まで、IDGが先に予想したレベルで出荷の伸びが続く見通し。昨年と比べて出荷台数が約19%の伸びを示しているEMEA(欧州、中東およびアフリカ地域)では、特にそうなると予想されている。

 同氏によれば、EMEA市場は回復や傾向の点で米国市場に遅れを取るのが常で、EMEAではまさに今、米国で昨年遅くから今年始めにかけて流行した「ノートPCへの買い替えサイクル」が進行中という。

 またラバード氏によれば、多くのアジア太平洋諸国でのPC出荷台数も、世界全体の平均よりも急速に成長している。ただし、日本市場の出荷の伸びは近隣諸国よりも若干弱くなっている。これは一部には、日本の多くの顧客は既にノートPCへの切り替えを済ませているからという。

 IDCによれば、Dellは依然として世界のトップベンダーの座に君臨し、出荷台数は前年比で21%増加し、市場シェアではHewlett-Packard(HP)に2%の差を付けている。欧州ではHPがPCのトップサプライヤーだが、米国市場ではDellがはるかに大きなシェアを誇っている。

 IDCによれば、HPは7〜9月期に世界で前年比9.1%増の720万台のPCを出荷している。

 ラバード氏によれば、IBMと東芝は企業向けPC市場で順調に売上を伸ばし、堅調な四半期が続いている。IBMは260万台を出荷して世界第3位、東芝は160万台を出荷して第5位となっている。どちらも、前年比の成長率は16.5%程度。

 またIDCによれば、富士通とFujitsu Siemens Computersは、同四半期に前年比約11%増の170万台を出荷し、第4位となっている。

 Gartnerによる世界PC市場のトップ5のランキングは、出荷台数と市場シェアに若干の違いはあるものの、IDCと同じ順位になっている。

 ラバード氏によれば、IDCは今後の世界PC市場における出荷台数の減速の見通しについては、10〜12月期の数字を見たうえで判断する予定という。IDCは今年、世界PC市場の2005年の成長率を8.7%と予想している。

 同氏によれば、10〜12月期は通常、1年で最も勢いのある四半期だ。昨年、一昨年も、年間のPC出荷台数の約28.8%が10〜12月期に集中している。西欧諸国では、この割合はさらに32.8%に高まる。

 IDCによれば、7〜9月期の世界PC市場の上位5社は以下の通り。

順位ベンダー2004年7〜9月期2003年7〜9月期前年比成長率(%)
出荷台数市場シェア(%)出荷台数市場シェア(%)
1Dell805万18.2667万16.920.7
2HP715万16.2656万16.69.1
3IBM264万6.0227万5.816.4
4富士通/Fujitsu Siemens173万3.9156万4.010.7
5東芝160万3.6138万3.516.5
その他2301万52.12105万53.39.3

(IDCは、IDG News Serviceの親会社であるInternational Data Groupの一部門)

Copyright(C) IDG Japan, Inc. All Rights Reserved.