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青色LED訴訟、日亜が8億4391万円支払いで和解

» 2005年01月11日 15時33分 公開
[ITmedia]

 青色LEDの発明者である中村修二・米カリフォルニア大サンタバーバラ校教授が、発明当時在籍していた日亜化学工業に対し、発明の対価の一部として200億円の支払いを求めていた裁判の控訴審で1月11日、中村教授と同社との和解が東京高裁で成立した。同社が中村教授に8億4391万円を支払い、中村教授はその他の請求を放棄する。

 内訳は、発明対価が6億857万円、遅延損害金が2億3534万円。東京地裁は1審で(昨年1月)で、発明の対価を約604億3000万円と算定。中村教授の請求通り、同社に200億円を支払うよう命じていた(関連記事参照)が、和解金額はこれを大きく下回った。

 中村教授は「和解額には全く納得していないが、弁護士の助言に従って勧告を受け入れることにした。職務発明の譲渡対価問題のバトンを後続のランナー(一人一人の技術者)に引き継ぎ、本来の研究開発の世界に戻る」とコメントした。

 日亜の小川英治社長は「当社の主張をほぼ裁判所に理解して頂けた。特に青色LED発明が一人でなく、多くの人々の努力・工夫の賜物である事を理解して頂けた点は、大きな成果と考える」とするコメントを発表した。

 和解額は、味の素の人工甘味料「アスパルテーム」特許訴訟の1億5000万円を超え、発明対価をめぐる訴訟としては最高額。

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