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企業のIT投資はやや上向き傾向

» 2005年02月21日 16時52分 公開
[ITmedia]

 野村総合研究所(NRI)は2月21日、「ユーザー企業のIT運営実態調査」の結果を発表した。上場企業あるいはそれ相当規模の企業を対象に、書面によるアンケート調査を実施したもので、回収サンプル数は441件。

 これによると、2005年度のIT投資規模を前年より増加すると答えた企業は約4割。2003年度調査から増加しており、企業のIT投資はやや上向き傾向にある。

 企業が今後重視するITの活用目的は、2003年度調査では「業務効率化」と「情報の活用」を挙げる企業が多数だったの対し、2004年度では「業務プロセスの標準化」(30.4%)や「経営管理機能強化」(27.4%)、「事業・サービス創造」(23.9%)を挙げる割合が増加した。

 NRIは、IT投資を単なる業務効率の向上としではなく、企業を取り巻く事業環境の変化への対応や経営戦略に結びつけてとらえる傾向が高まっていると分析している。だが経営管理や事業開発分野ではIT投資の成果を明確に把握することが難しく、投資目的が達成されていないと考える企業が多い。

 調査では、IT投資全般ではそこそこの目的を達成していると評価した企業が約6割だったのに対し、「事業・サービス創造」や「経営管理機能強化」の達成状況は「悪い」と回答した企業が3分の1以上を占めた。

 NRIは、こうした分野でもIT活用の実効性を高めていくために、CIO(IT統括責任者)を中核に据え、経営者や事業責任者が積極的にITに関与していくことが重要だと提言。意思決定構造の変革や人材育成も不可欠だとしている。

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