ゲルシンガー氏はまた、「Intel I/O Acceleration Technology(I/OAT)」および「Intel Active Management Technology(AMT)」についても説明した。
前者はチップセット、ネットワークインターフェイス、それにドライバを最適化し、TCP/IP処理のCPUワークロードを大幅に低減させる機能だ。ギガビットイーサネットの普及で、高速ネットワークを処理するためにプロセッサパワーが喰われる問題が顕在化しつつあるが、I/OATを用いることでCPUの負荷を大幅に下げることができる。
I/OATが実装されるのは2006年からで、「Longhorn Server」には標準でドライバが組み込まれる。また基調講演にゲストとして参加したMicrosoft上席副社長のジム・オールチン氏は「Intelが対応システムを出荷後、即座に既存のWindowsユーザー向けにドライバを提供する」と約束した。
オールチン氏はまた、Itanium 2を引き続き最優先の64ビットプラットフォームとしてOSのサポートを確約したほか、EM64T版のWindows Server 2003を3月に、そのすぐ後に同じくEM64T版のWindows XPをリリースするとアナウンスした。
一方、AMTはLaGrandeやVirtualization Technology(Vanderpool)と同様に、従来のx86アーキテクチャの外で動作するソフトウェアを用い、システムの管理を行う仕組みで、OSの稼働状態に依存しない独立した管理ソリューションを提供する。AMTとVTを組み合わせ、メインOSとは別にセキュリティパッチや管理エージェントなどを動かすバーチャルマシンをバックグラウンドで動かしておく事も可能になる。
なおオールチン氏によると、Virtualization Technologyを利用するための仮想マシンマネージャをOSに統合する計画があるという。
デュアルコア化やVTの活用などには、ハードウェアだけではなく、ソフトウェアも同時に対応していかなければならない。Intelはこれまでも、インテルキャピタルによる投資やソフトウェアのチューニングツールやコンパイラ、プログラマ向け教育プログラムなどを実施してきた。
今回もオールチン氏とともに、64ビットアプリケーションへの移行やマルチスレッド機能を活かしたアプリケーションの開発を会場に訴えかけた。「リコンパイルとほんの少しの修正で64ビット化が行え、メモリ依存の強いアプリケーションならば、すぐに明らかなパフォーマンス向上を得られる。まずは64ビットに移行し、その上で何が出来るかを模索しよう(オールチン氏)」と呼びかけた。
またマルチコア化によってソフトウェアライセンスに関する問題が浮上する気点もあるが、オールチン氏は「シングルコアでも、デュアルコアでも、もちろんマルチコアでも、プロセッサが1個であれば、1プロセッサのライセンスで利用できるようにする」と、マルチコア化の流れをライセンスプログラムの切り口で支援することを約束した。
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