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MS、自社製ソフトへのショートカット削除に合意

» 2005年06月02日 13時39分 公開
[IDG Japan]
IDG

 米Microsoftは、ユーザーがデフォルトとして競合製品を指定した場合には、Windowsに含まれる「ミドルウェア」アプリケーションへのショートカットの数を抑えることに合意した。独禁法訴訟の和解条件への遵守状況をめぐり、6月1日に発表された報告書で明らかとなった。

 Microsoftは、Windows XPにおいて、Internet Explorer(IE)などのMicrosoft製ミドルウェアがデフォルトから外された場合のショートカットの処理方法を変更した。今回の変更は、米司法省との独禁法訴訟で2002年遅くに承認された和解条件を、同社が遵守しているかどうかを監督している技術委員会によるレビューへの対応として行われたもの。変更の内容については、司法省が1日に発表した共同の現状報告書に記されている。

 今回の変更が施されるまでは、ユーザーがIEやOutlook Express、Windows Media PlayerなどのMicrosoftのミドルウェアプログラムをデフォルトから外しても、それらのプログラムへのショートカットはWindowsのさまざまな場所に残されていた。ショートカットは例えば、デスクトップや、スタートメニュー内の頻繁に利用するアプリケーション向けの領域や、クイック起動バーに残されていた。Microsoftは今回、Windowsに変更を加え、ユーザーがショートカットを修正しない限り、Windowsの5つのロケーションからショートカットを取り除くことに合意した。

 Microsoftはさらに、これまでユーザーが別のデフォルトブラウザを指定した後にも表示されていた、いくつかのIEのアイコンについても削除することに合意した。

 Microsoftが今回の変更に合意したのは、こうしたショートカットとアイコンの存在は独禁法訴訟の和解条件に違反している可能性があるとの指摘を受けたものだ、と同社の広報担当者ステイシー・ドレイク氏は語っている。「和解の成果を確実にするために、すべての関係者が大いに努力した」と同氏。

 Microsoftと司法省のほか、独禁法違反で同社を提訴していた全米18州の州政府は1日、共同の現状報告書を発表した。6日には、ワシントンD.C.で、米連邦地裁のコリーン・コラー=コテリー判事のもと、現状に関する公聴会が開かれる。

 15ページにわたる現状報告書ではさらに、司法と州政府がこれまでの公聴会で指摘した継続中の問題点についても触れられている。Microsoftのプロプライエタリな通信プロトコルに関する文書の不備を懸念する声に関して、現状報告書には、文書を改良するための取り組みが進められていると記されている。Microsoftは、「当社は和解条件で定められた義務を満たしているものと確信しているが、文書の改良は今後も続ける方針だ」と述べている。

 さらに司法省と原告側州政府は、Windows XPの後継版となるLonghornとIEの次期バージョンについても、Microsoftとさらなる話し合いを続けているという。司法省と州政府は、両製品でも和解条件が確実に遵守されるよう監視を続ける意向だ。

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