富士通研究所は6月6日、45ナノメートル世代のLSI向け多層配線技術を開発したと発表した。同世代のLSI高速化に向けた有力な手法として、適用に向けた検討を進める。
LSIの微細化に伴い、配線と絶縁膜がコンデンサとして働いてしまう「寄生容量」の増大がLSIの動作速度を低下させる要因として課題になってくる。富士通研は、絶縁材料に誘電率が低いポーラスシリカ系材料「ナノクラスタリングシリカ」(NCS)を使った多層配線化技術を開発。微細な下層配線部分の絶縁膜すべてにNCSを適用した。
新技術を使い、銅配線とNCSによる3層配線の試作に成功した。NCSは強度の低さが課題だったが、プロセス技術の最適化で実用レベルの信頼性も確保できた。詳細は6月6〜8日の「国際配線技術会議」(IITC2005、米サンフランシスコ)で発表する。
新技術は、半導体開発を効率化する「あきる野方式」の一環。要素技術は富士通研が担当し、インテグレーションの段階から富士通の事業部と挙動で特別チームを結成。先端プロセスの開発ラインを持つ富士通あきる野テクノロジーセンター(東京・あきる野市)を活用してプロセスインテグレーションを進め、事業部にスムーズに技術を移管する仕組みだ。
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