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人気ブログの“ランキング八分”──「まりも」の場合(3/3 ページ)

» 2005年06月10日 15時53分 公開
[杉浦正武,ITmedia]
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 一般論として、話題性のある人気ブログが多いほうが運営側はありがたい。面白いエピソードを高頻度で書いてくれるアイドル、タレント、有名人は、各ブログ運営側にとって「ぜひうちで書いてくれ」と勧誘の対象になる。

 livedoor Blogの場合、Yahoo!ブログ同様にパトロール人員がいて、アダルト表現のあるブログや極端な宣伝行為を行うブログ、詐欺のブログなどを見つけ次第削除している。ただ、削除の基準は比較的「ゆるいとおもう」とライブドア広報も率直に認める。

 「ユーザーが不快に思うかどうか、を基準にしている。あまりにひどい場合は即刻削除もあるが……多少アダルトな内容を含むブログも、『その他』カテゴリである程度容認する」

 まりもさんのブログは結局、ライブドアの基準では特に取り締まりを受けなかった。このあたりは、各社の対応の違いといえる。

 しかし、まりもさんはlivedoor Blogを「避難所」としての位置付けで見ていた。結局、livedoor Blogに本格的に移設する気にはならなかったという。最大の理由は、Yahoo!ブログに慣れてしまっていたことだ。

 「livedoor Blogは、プラグインも充実しているし、カスタマイズすればとても見栄えもよくなる。ただ、Yahoo!ブログは初心者向けで、ユーザー同士のコミュニケーションが取りやすい。livedoor Blogは、コメントを通じて交流しにくいように感じた」

改名するも、やはり削除

 コミュニティサイトで、運営側が一番苦労するのは“その雰囲気をどのように保つか”だ。女性が多いコミュニティにしたいのか、若年層も気軽に参加できるコミュニティにしたいのか。その方向性によって、ある程度意図的に特定のブログを削除することも、やむを得ない。サイト運営側として、「どこまで」という線引きを行い、このポリシーに沿って取り締まりを行うのは重要なことだ。

 まりもさんも、実はその点は認めている。「Yahoo!JAPANといえば、小学生も見ているインターネットの入り口のサイト。企業としてイメージがあるだろうし、神経質にならざるを得ないのかもしれない」

 ただ一連の経緯の中で、運営側の対応として、削除した複数のブロガーに対する説明責任が完全に果たされていなかったことは、指摘できるかもしれない。まりもさんの友人のあるブロガーは、こう訴える。

 「Yahoo!さんのブログは、まるでクラスの友達に話しかけるような気持ちで交流が図れる、その面ではほかのブログに比べても群を抜いています。みんなこのクラスで、このYahoo!ブログという街で遊びたいんですよ。それがいきなり、『キミはこの街には合わないな』と言われて排除されたら、どんな気持ちになるでしょう。それでもこの街に住みたい。だから、何が悪いのか教えてほしい」

 まりもさんは、一時「まりも」という名前を捨て去る決意をしている。「あゅ」というハンドルネームに変え、アダルト色もきれいに排除し、心機一転ブログを立ち上げようとした。

 しかし、そのブログも3日でランキング削除されてしまった。

 「貴殿の公開されるブログ内において、一部サービス規定に反する内容が掲載されていることが確認されたため」

 運営側からのメールに記された削除理由に、まりもさんは今も納得できずにいる。

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