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Windows Vista、β1にないものとあるもの(1/2 ページ)

» 2005年07月28日 12時55分 公開
[IDG Japan]
IDG

 Windows次期版「Windows Vista」(コードネーム:Longhorn)が7月27日、β1のリリースという大きなマイルストーンに達したことをMicrosoftが発表した(関連記事参照)。同社はWindows XP向けInternet Explorer(IE)7の最初のβ版もリリースした(IE 7はWindows Vistaにもバンドルされる)。

 Microsoftは先週、同OSの正式名称を発表した時にβ1のリリース期限を8月3日としていたが、それよりも数日早いリリースとなった。このβ1は1万人のβテスターに即時ダウンロード提供される。テスターのほとんどは企業のITスタッフや開発者だ。

 Microsoft Developer Network(MSDN)とMicrosoft TechNetのメンバー約50万人も間もなくβ1を入手できるが、公式テスターと違ってサポートは受けられない。

 β1は、2006年後半の正式リリース時に搭載されるユーザー指向の機能の多くが欠けていることもあり、一般向けには提供されないとMicrosoft関係者は語る。「カンバスは完成していない。半分も色を塗っていない」と話すのは、Windowsクライアント部門グループプロダクトマネジャー、グレッグ・サリバン氏。

β1にない機能

 β1にないのは、Windows Media Playerの新版、Tablet PCおよびMedia Center PCのサポートなどの重要な機能だとサリバン氏は語る。しかしこのβ1は、Microsoftがこの数年さまざまな開発者・顧客向けイベントで話してきた幾つかの技術を初めて披露する。

 Windowsクライアント担当ジェネラルマネジャー、ブラッド・ゴールドバーグ氏は最近のプレβ1ワークショップで記者とアナリストに対し、Windows Vistaの設計目標は大きく3つのカテゴリーに分けられると語った。セキュリティ、プライバシー、パフォーマンス、信頼性、導入のしやすさを強化することで、「PCに対する新たなレベルの信頼」を植え付けること。組織と情報の利用に透明性をもたらすことと、「ユーザーを他人やデバイスにシームレスにつなぐ」ことだ。

 この3つのうち、ユーザーの信頼向上がプレβワークショップでは一番に挙げられていた。「最初に基礎を固めなければならない」とWindowsクライアント担当ディレクターのオースティン・ウィルソン氏。Microsoftは、「パッチ管理の悪夢」を避け、「Blasterのようなことが今後起きないように」脆弱性を封じ込めることを決意していると同氏は語る。

美しいグラフィックス

 Windows Vistaをロードしたユーザーは、Avalonディスプレイエンジンの素晴らしいグラフィックスに驚くだろう。アイコンはこれまで以上にきめ細かく、好みに合わせて大きさを変えられる。ほとんどの文書のサムネイルを取得することもできる。PCにLonghornのグラフィックスをサポートするディスプレイドライバがあれば、「Aero」デスクトップテーマの透明なウィンドウフレームを楽しめる。

 検索はユーザーインタフェースの至る所から利用できる。すべてのウィンドウにはアドレスバーの右に小さな検索フィールドがあり、スタートメニューの下部にも検索ウィンドウがある。これら検索フィールドのほとんどは文脈依存型だ。例えば、スタートメニューの検索フィールドにアプリケーションの名前を入力すると、それに一致する実行可能ファイルのリストが表示される。「すべてのプログラム」ボタンをクリックした時に表示される長いリストをスクロールして、目当てのソフトを探さずに済む。

 これまでと同様にWindows Explorerにはフォルダシステムが表示されるが、ユーザーが作成したフォルダが格納されるのに加え、仮想フォルダがあらかじめ含まれている。仮想フォルダを使うと、ファイルの実際の位置にかかわらず、メタデータ(ファイルシステムが集めた情報)を使って文書を検索できる。例えば、「Authors」という仮想フォルダを開くと、特定の作成者による文書をすべてチェックできる。別の仮想フォルダでは、ユーザーがファイルに割り当てたキーワードによって文書を調べられる。

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