Windowsの世界には今、2種類の人間がいる。「ベータワン」と「ベータツー」だ。これらグループは、7月27日にリリースされたMicrosoftの次世代OS(Longhornの名前で呼ばれていた)のβ版に、それぞれ違った反応を見せるだろう。
開発者と知識の必要なIT担当者がベータワンだ。彼らに必要なのは、自分の仕事を始められるように、OSの心臓部分を用意することだ。わたしも含むほかのすべての人は、今ワクワクするようなことがしたくて、最初のβ版でもいいから欲しいと思っているベータツーだ。
わたしがこの話をするのは、もしも皆さんがベータツーなら、この最初のβ版乗り用は本当にいら立たしい体験になるからだ。Windows Vistaは大きな将来性を見せているが、今の開発段階では、有意義なやり方で使う準備はできていない。
もちろん、それがあるべき状態なのだ。わたしはIT管理者に、β1に基づいて判断を下すことはしないよう注意を促したい。β1は動作が遅く、機能が欠けており、HDDの中身を一掃して初めからやり直さなくてはいけないほどひどいクラッシュを引き起こした。このため、Windows Vistaβ1は時々OSというよりもいじめに見える。
ファーストインプレッションの話に入る前に、MicrosoftがWindows Vistaの「エッセンス」と言っているものについて話しておこう。最近のプレゼンテーションで、Windowsクライアント担当ジェネラルマネジャー、ブラッド・ゴールドバーグ氏は、この新OSの3つの優先的な設計目標を語った(7月28日の記事参照)。
Microsoftはこれら3つの「C」のデモを行ったが、Vistaβ1はこの利点をあまりうまく示していない。とは言え、わたしはいつの間にかかなり魅了されてしまった。
Windows Vistaは、Microsoftがこれまで開発した中で一番見栄えがいいOSであり、Appleが少し前にリリースしたMac OS X「Tiger」に匹敵し、幾つかの点では勝っている。
MicrosoftのUI(ユーザーインタフェース)デザイナーは、Windowsであることの意味を失わずに、見慣れたWindows UIを簡素化する方法を見出した。VistaはTigerと混同されることはないだろうが、どちらも今は非常に素晴らしいUIを備えている。UIには何も期待していなかったわたしにとって、これはうれしい驚きだ。
その一方では、誰か――わたしかもしれない――が新しいファイルシステム機能を説明する本を書かなくてはならないだろう。わたしを含めて多くの人が、WinFSファイルシステムの搭載見送りは、Longhornの「スマートな」ファイル管理機能の喪失を意味すると考えた。
Editorial items that were originally published in the U.S. Edition of “eWEEK” are the copyrighted property of Ziff Davis Enterprise Inc. Copyright (c) 2011. All Rights Reserved.
Special
PR