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BellSouth、ハリケーン復旧コストを「最大6億ドル」と推定

» 2005年09月07日 16時00分 公開
[IDG Japan]
IDG

 米電話会社BellSouthによると、ハリケーン「カトリーナ」によって同社のネットワークが受けた損害は6億ドルに上る可能性がある。

 同社は被災州のルイジアナ、ミシシッピ、アラバマを含む米南東部9州でサービスを展開している。同地域で提供する170万の電話回線のうち、約半数の81万回線が被害を受けた。また、メキシコ湾岸地域の131の同社電話局のうち19局が機能停止しているという。

 これら19局は18万7000回線を扱っており、うち16万6000回線が、カトリーナによって壊滅的打撃を受けたニューオーリンズを通っている。同社は19局の復旧計画は進行中だとしている。

 大半の顧客に対しては30日以内にサービスを復旧できる見込みだが、一部地域については、住民・地元企業が退避先から帰郷できる時期、および地域のインフラ再建に要する期間によって、復旧がさらに遅れるかもしれないという。

 同社は、洪水の水が引くのに数カ月かかる可能性もあるニューオーリンズは「異例の状況にある」と表現。このため、同地については個別対応で復旧活動の進展を追うという。治安・救助活動に従事する顧客へのサービス復旧を優先。また携帯電話サービスの復旧も優先事項だとしている。

 「復旧活動は全体として前進しており、日々良好な進展が見られる」と、同社のビル・スミスCTOは発表資料の中で述べている。

 同社は、カトリーナによる被害の全体規模を推計するのは時期尚早であり、地域全体としての査定や実地評価もまだできていない状態だとしながらも、入手可能な情報に基づく初期の推定では、ネットワーク復旧に掛かるコストは資本・経費含めて4億〜6億ドルだとしている。

 同社はルイジアナ、ミシシッピ、アラバマの3州に1万3000人の従業員を抱える。このうち6500人が、カトリーナによる被害の最も大きかった地域の住民だ。同社はルイジアナ州ではバトンルージュとコビントン、ミシシッピ州ではガルフポート、ハティスバーグ、ジャクソンに「テント村」を設け、被災した従業員に食料、避難所、衣類、財政援助、支援プログラムなどを提供している。

 今週、新たにルイジアナ州ケナーにもテント村が設置される。テント村は、被災地で対顧客サービスの復旧に当たるBellSouth技術者らの拠点としても機能する。

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