マニア専用だった2足歩行ロボットキット市場で、ユーザーのすそ野を広げる取り組みが始まった。京商は、近藤科学、ロボガレージと協力し、親しみやすいデザインのヒューマノイドロボット「マノイ」を開発。来年6月に税込み15万円(予価)で発売する。曲線を多用したキュートなデザインと比較的手頃な価格で、ロボットマニア層以外にも広くアピールする狙いだ。
ロボットキット市場が広がる兆しを見せている。昨年6月、近藤科学が発売した12万6000円の「KHR-1」は、ロボットキットとしては異例の3000台を出荷。1体数十万円と高価で、1モデルあたり数十台売れるのが関の山だったロボットキット市場に新風を吹き込んだ。
近藤科学は、KHR-1で培ったノウハウをマノイに投入。低価格は維持しつつ、アクチュエーターやマザーボード、ブラケットを新開発して高速で緻密(ちみつ)な動きを可能にしたという。試作機を使ったデモでは、きびきびと歩き周って片足立ちなどを披露。発売までには走れるようにしたいという。
モーションは、Windows用の専用ソフトで簡単にプログラムできる。モーションプログラムのダウンロード公開も行う予定だ。オプションで、センサーなど付加機能をつけられるほか、ボディカラーも変えられるようにする。
鉄腕アトムのようなキュートなデザインで、ロボットマニア以外の層にもアピールする。デザインを担当したロボガレージのロボットクリエイター・高橋智隆さんは「リビングにいても違和感ないデザインにした。女性にも受け入れられやすく、サイフのヒモを握っている奥さんも説得しやすいだろう」と話す。
マノイ同士の競技会も開く。競技会を通じて長く楽しんでもらいながら、オプション品の購入につなげる狙いだ。当初の種目は5メートル走のタイムトライアル。2006年度は年間3〜4回、翌年度以降は8〜10回行う予定で、世界大会の開催も検討している。
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