インターネット関連事業を手掛けるはてなは6月12日、4月に公表した資金流出事案について流出金額の精査が完了し、現時点における被害の最大額である11億7900万円を2026年7月期第3四半期(26年2〜4月)の特別損失としてとして計上すると発表した。これに伴い、通期の純損益は7億6700万円の赤字に転落する見通しとなった。
資金流出事案は4月24日に公表したもので、従業員が悪意ある第三者から虚偽の送金指示を受け、銀行預金を外部の口座へ送金していた。特別損失には、5月に設置した特別調査委員会の調査費用など6000万円も含む見込みで、同委員会による調査は継続中だ。同社は捜査機関に協力しつつ関係金融機関などと回収措置を講じており、回収額が確定次第、特別利益として計上する予定。
同日には2026年7月期通期(25年8月1日〜26年7月31日)業績予想の下方修正も発表した。売上高は36億4000万円(前回予想比5.7%減)、営業利益は1億1300万円(同17.1%減)、経常利益は9000万円(同38.3%減)にそれぞれ引き下げた。
広告・マーケティング予算の縮減で販売環境が厳しくなったことに加え、オウンドメディアの編集受託事業では、生成AIにより安価に記事を量産できるようになった影響で新規獲得が難航。コンテンツプラットフォームサービスでも、協議中の生成AIベンダーとの取り組みが想定より遅れているとした。
純損益は、こうした減収に加え、資金流出事案に伴う11億7900万円の特別損失を計上し、前回予想の1億100万円の黒字から一転して7億6700万円の赤字となる。この赤字額には、将来の税負担の軽減効果を見込む「繰延税金資産」の計上による3億5700万円分の利益押し上げ効果も織り込んでいる。
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