世界情報社会サミット(WSIS)フェーズ2に向けた準備会合で欧州連合(EU)が予想外の行動に出たことから、インターネット統治問題に関する合意がずれ込み、11月に予定されているチュニジア・チュニスでの会議の前に、再度の話し合いに持ち込まれることになりそうだ。
主催者である国連機関の国際電気通信連合(ITU)広報官によれば、政府当局者の会合はジュネーブで9月19日から開かれているが、これまでのところインターネット統治に関するコンセンサスには至っていない。
予想外の動きとして、EUは9月28日に米国と決別し、新しい「フォーラム」と新しい「国際協力モデル」の創設を提言した。これは、現在ドメイン名、ルートサーバ、IPアドレスといったインターネットの主要インフラを運営している米国主導組織ICANNに完全に取って替わらないまでも、劇的な変化につながる可能性がある。
これまでEUは米国と歩調をそろえて現状を支持していた。これは基本的に、インターネット管理機関をICANNのまま据え置くことを意味していた。今回、EUはほかの大半の国とともに、ネットの統治を引き継ぐ国際機関を要求する側に回った。
「米国の代表団はこの動きをまったく予想しておらず、簡単な手書きメモでこれに応えた」と、ITU広報のサラ・パークス氏。
IDG News Serviceが入手したこのメモのコピーには、米国はDNSの「安全性または安定性に悪影響」を与えるような行動を取ることはないと約束し、ルートゾーンファイルへの変更管理という「歴史的役割」を今後も維持する意向だと記されている。
ジュネーブで開かれていたPrepCom-3会合は30日に閉幕する。代表団が合意に至らなかった場合、11月16日から始まるチュニスでのサミット前に再度会合を開くことが検討されているという。
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