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Intel、間もなくデュアルコアXeonの時代へ

» 2005年10月03日 15時01分 公開
[IDG Japan]
IDG

 当初の計画よりも早く、だがライバルより数カ月遅れて、Intelは10月10日にデュアルコアXeonを立ち上げる。IntelとHewlett-Packard(HP)がマスコミあてに電子メールで送った招待状により明らかになった。

 HPの広報担当者は9月30日、10月10日に行われる新しいデュアルコアProLiantサーバの発表について記した電子メールを送った。これとは別に、Intel日本法人の広報部は、10月11日のデュアルコアサーバ・ワークステーション向けプロセッサの発表会にマスコミを招待した。

 先週には、Dellが自社のデュアルコアシステムをプレビューした。同社は、このシステムを10月前半に出荷すると明かしたが、搭載されるXeonプロセッサの詳細については公表を控えている(9月27日の記事参照)。IBMも先週、デュアルコアプロセッサを搭載したエントリーレベルサーバ3機種を10月半ばに投入すると発表した。

 Intelの広報担当者は、デュアルコアXeonの立ち上げ日に関するコメントを拒否した。

 10月10日の立ち上げで、IntelのシングルコアXeonとAMDのデュアルコアOpteronの大きな性能差はなくなるだろう。64ビット技術へ移行した時と同様に、AMDは新設計――マルチコア技術――をIntelより数カ月早く導入した。

 誰から見てもIntelにとってさんざんな年だった2004年、同社はAMDのOpteronの成功に対抗するため、64ビット版のXeonを投入せざるを得なくなった。また同社は、AMDのOpteronの計画に合わせてデスクトップ・サーバ向けデュアルコアプロセッサを投入するため、プロセッサ設計戦略を早急に刷新しなくてはならなかった。

 Intelは、最初にデスクトップ向けのデュアルコアプロセッサをリリースすることにした。それは単にデスクトップ向けの方が検証が容易だからだと同社デジタルエンタープライズ部門主席エンジニア、ジョナサン・ダグラス氏は8月のカンファレンスで語っていた。サーバプロセッサはリリース前にデスクトップよりも多くのテストと検証が必要になるし、Intelはサーバ製品が確実に正しく動くようにする必要があったと同氏。Intelは7月に、ローエンドのワンソケットサーバ向けデュアルコア「Pentium D」プロセッサをリリースした。

 Intelの当初の計画では、2006年第1四半期にXeonのデュアルコア版「Bensley」を最初のデュアルコアサーバプロセッサとしてリリースするはずだった。Bensleyは今なお第1四半期に向けて予定通り進んでいるが、Intelは2・4ソケットサーバ向けのデュアルコアプロセッサ「Paxville」の立ち上げを10月に前倒しすることができた。

 一部のアナリストは、Intelのデュアルコアプロセッサは今後もなおフロントサイドバス設計に足を引っ張られることになると考えているが、独立したレビューとベンチマークで答えが出るだろう。Intelは外部メモリバスでプロセッサとメモリを接続しており、一方AMDは、その機能を直接プロセッサに組み込んで性能を高めている。

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