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オタクは遍在する――NRIが示す「5人のオタクたち」(2/2 ページ)

» 2005年10月06日 17時42分 公開
[岡田有花,ITmedia]
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5人のオタクたち

 アンケート調査の結果から、オタク層に共通する行動特性を抽出したところ、(1)他人に良さを理解してほしいと思う「共感欲求」、(2)何でもそろえたいと感じる「収集欲求」、(3)自分の意見を広めたいという「顕示欲求」、(4)自分なりの考えを持ちたいという「自律欲求」、(5)オリジナル作品を作ったり、改造したりする「創作欲求」、(6)気の合った仲間にだけ分かってもらえばいいと考える「帰属欲求」――という6つの欲求があることが分かった。

 この6つの欲求の濃淡などから同社は、オタク層を5種類に分類した。いわく「家庭持ち仮面オタク」(全オタク中25%)、「我が道を行くレガシーオタク」(同23%)、「情報高感度マルチオタク」(同22%)、「社交派強がりオタク」(18%)、「同人女子系オタク」(12%)――だ。

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 家庭持ち仮面オタクは、組立PCやAV機器などを中心に幅広く分布し、小遣いをやりくりしながら家庭内でこっそりと趣味に没頭。オタク趣味をカミングアウトしない傾向にある。旅行分野にも多く、趣味を兼ねて子どもをあちことに連れ回すお父さんが典型例としている。

 我が道を行くレガシーオタクは、独自の価値観を持ち、情報収集と批評を展開。20〜30代の男性に多く、PCやAV機器、ITガジェット、クルマ、カメラなどメカ系と、芸能人分野を中心に分布しているという。

 情報高感度マルチオタクは自分のこだわりに対して屈託がなく、カミングアウト率も高い。流行に流されやすく、他人を気にする傾向にあるという。女性が多く、複数の分野にまたがっているのが特徴。コミュニティーサイトやネットオークションが大好きで、2ちゃんねるのライトユーザーという人物像があてはまる。

 社交派強がりオタクは、独自の価値観を強く持ち、それをみんなに知ってもらいたいと考えて他人を巻き込もうとするタイプ。ガンダムやドラクエの世界観を引きずり、それに気づかずに30代になってしまった大人が典型例という。

 同人女子系オタクは、コミックやアニメに登場するキャラクターへの愛着が強く、同人誌など創作活動への参加率が高い層。友達に隠れてひそかに持っていた趣味を大人になっても続けている同人誌フリークの女性が典型例としている。男性でも「アキバ系」「萌え系」がこの層に含まれるという。

photo オタク分類別、6種の欲求の強さグラフ
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