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曲げられる超薄型二次電池、30秒で充電OK──NECが開発

» 2005年12月07日 16時13分 公開
[ITmedia]

 NECは12月7日、厚さ0.3ミリという超薄型二次電池を開発したと発表した。内部がゲル状なため曲げることができるフレキシブル性を持ち、30秒以内の高速充電も可能という。ウェアラブルPCや電子ペーパーといったデバイスへの搭載を目指し、実用化を進める。

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 新電池は、同社が開発した「有機ラジカル電池」で、ポリラジカルと呼ばれるプラスチック材料を使い、ラジカルの酸化還元反応を利用して充放電する。短時間の充電や大電流での使用が可能という。カドミウムや鉛など、従来の二次電池が使っている重金属が不要で、環境負荷が低いのも特徴だ。

 今回、電極の薄膜化技術を開発することで超薄型化した。内部は電解液が浸透したゲル状になっているため、フレキシブルに曲げることも可能だ。

 エネルギー密度は1平方センチ当たり約1ミリワット時。アクティブ型RFIDタグに使った場合、1回の充電で数万回の信号発信が可能という。有機ラジカル電池の特徴を生かし、充電時間は30秒以内で済むとしている。

photo 新電池を組み込んだカード

 超薄型なため、ICカードや電子ペーパーへの内蔵や、人や動物に装着できる小型RFIDタグなどに応用できるとしている。曲げられるという特徴を生かし、衣服などに装着するウェアラブルコンピュータも可能になるとしてる。今後はエネルギー密度を向上させ、使用時間の長時間化などを図っていく。

 新電池は、同日始まった「iEXPO2005」(東京ビッグサイト)に展示する。

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