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2006年の流れを作る「トップトレンド」は?

» 2005年12月28日 11時35分 公開
[Eric Lundquist,eWEEK]
eWEEK

 トップニュース記事とトップトレンド記事は違う。最高のトレンドとは、その時にはほとんど注目されないが、後になって大きな影響をもたらすものを言うのだ。Googleが7年前に設立されたとき、「クールな検索エンジン」以上のものになると確信していた人はほとんどいなかったが、実際どうなったか見てみるといい。ここではわたしが選んだ2005年に始まった、あるいは加速したテクノロジートレンドを、企業向けの技術を中心に紹介しよう。

Googleの次のステップなど

 Google、Yahoo!、Skypeなどはオープンなインターネット上で走るプロプライエタリ技術を利用することで大きな企業になった。これは素晴らしいアイデアだ。それによってこれら企業は、世界に広がるネットワークを構築するコストをかけずに、世界に広がるアプリケーションを構築することに専念できた。だが今、Google、Microsoft、Yahoo!は互いに機能で対抗し合っている。自社のアプリケーションがライバルのアプリケーションと大して違わない場合には差別化は難しい。

 2005年末には、これらのプロプライエタリ技術が公開されるようになった。そのいい例が、Amazon.comがAlexa検索エンジンを開発者に公開したことだ(12月14日の記事参照)。数十億ドルを持つGoogleでも、競争に先んじるのに必要なだけの開発者をすべて雇えるわけではない。新しいインターネットアプリケーションの次のラウンドは、インターネット上で走る、新たに公開された技術に取り組む開発者がもたらすだろう。

次世代アウトソーシング

 引き続きGMに注目だ。同社は世界自動車市場で苦戦しているが、ITの利用・導入ではまだ主導的地位にある。CIO(情報統括責任者)のラルフ・ジゲンダ氏の下、同社は世界的なリーチ、標準、競合ベンダー間の協力促進をベースにアウトソーシングモデルを構築している。かつて差別化を競い合っていたベンダー各社が、今は協調的な環境で働く能力を競っている。

IT管理の次のレベル

 社員があなたの会社のことをブログに書いている。顧客があなたの会社のことをブログに書いている。そして競合企業も。会社のブランドや評判に影響しかねない大きなニュースがWebに流れているかもしれないのに、あなたはそのことを知りさえしない。このような環境で、IT管理者としてどのような役割を果たすべきだろうか?

 上級幹部に早期警報システムとして提供できる検索・報告ツールを使いこなす必要がある。SONY(BMG)のDRM(デジタル権利管理)での大失敗は、経営陣が事態を把握する前にブログ世界で激しい批判を浴びた技術計画の唯一の例だ。社外に目を向けるだけでなく、世間で、Webで起きていることを見極める技術能力を発展させなくてはならない。

コンテンツを従来のプラットフォームから切り離す

 テレビ局の幹部は、テレビ番組をiPodにダウンロード提供する用意を整えた。MicrosoftはGoogleに倣って、かつてメディアビジネス分野に限られていた売り上げを奪い合う態勢を整えている。

 Appleは音楽世界のドンになるかもしれない。CIOの役割はかつてビジネスとテクノロジーを統合することだったが、その新たな役割には従来のプラットフォームからいつ離れるべきかを判断できることが必要になる。どこから利益を得るのか? それを得るための活動を今のプラットフォームから分離できるか? 2005年は、コンテンツとプラットフォームの分離がトレンドだった。

企業全体の管理

 2005年は電気料が上昇した。ハリケーンが米国の一部に大打撃を与え、石油、光熱費がかつてないほど高くなった。

 企業は総所有コスト(TOC)から企業の総コストに焦点を移している。経営陣は技術部門の幹部に、これまで技術インフラに組み込まれていなかったシステム(電気や空調)を統合させることを考えている。企業全体の運営の測定、監視、改善は2005年に始まったが、2006年もきっとこのトレンドは続くだろう。

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