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» 2006年02月07日 15時52分 UPDATE

利用可能になったXeonの仮想化技術

IntelのXeon MPプロセッサ「Paxville」に搭載された仮想化機能が利用可能となった。仮想化は、小型で強力なサーバの普及拡大、そしてVMwareなどの仮想化ベンダーの登場を追い風として勢いづいている。

[Jeffrey Burt,eWEEK]
eWEEK

 IntelのXeon MPプロセッサ「Paxville」を搭載したサーバのユーザーは、同チップの仮想化機能を利用できるようになった。

 ニューヨークで開催された仮想化技術に関するカンファレンスで講演したIntelのサーバプラットフォームグループのダイアン・ブライアント副社長兼ゼネラルマネジャーは、「ユーザーはDell、Hewlett-Packard、IBMなどのシステムメーカーにチップのBIOSのアップグレード方法について問い合わせて、Intel Virtualization Technology(VT)を有効にできるようになった」と述べた。

 同技術は、昨年にPaxvilleが出荷された時点で同チップに組み込まれていたが、これまで無効になっていた。

 「現在、サーバで仮想化技術を有効にし、この技術をテスト環境や開発環境で使い始めることができるようになった」とブライアント氏はカンファレンスの参加者に語った。

 さらに同氏は、Red HatおよびNovellのSUSE LINUX部門によるオープンソースの仮想化技術「Xen」のサポートに言及するとともに、仮想化ソフトウェアベンダーのVMwareが2月6日に、「VMware Server」を無償製品としてリリースしたと発表した(関連記事参照)

 すでにお伝えしたように、VMwareは同サーバをエントリーレベルの無償製品として提供する。サーバ仮想化の経験が乏しい企業に、同技術が提供するメリットを味わってもらうのが狙いだ。

 仮想化とは、1台のサーバを複数の仮想マシンに分割することで、複数のOSや複数のアプリケーションを同一サーバ上で動作させることを可能にする技術である。

 マサチューセッツ州フレーミンガムにあるIDCのアナリスト、バーノン・ターナー氏によると、同技術を利用している企業の多くは、1台の物理サーバ上で10個もの仮想マシンを運用しているという。

 仮想化という考え方は40年前にIBMのメインフレームで導入されたが、ここにきて、小型で強力なサーバの普及拡大、そしてVMwareなどの仮想化ベンダーの登場を追い風として勢いづいてきた。

 IntelおよびライバルのAdvanced Micro Devices(AMD)は、単にクロックスピードを高めるという方法に頼らずにプロセッサの性能を改善する手段として、仮想化技術をそれぞれのプロセッサに組み込み始めている。AMDでは年内に、「Pacifica」というコードネームで呼ばれる仮想化技術をサーバ用およびクライアント用のプロセッサに搭載する予定だ。

 AMDは2月7日、自社の仮想化技術に関連する技術仕様を公表する。同社では、ハードウェアメーカーおよびソフトウェア開発者に同技術の採用を促すために、この仕様を無償で提供する考えだ。同社は今年半ばに、同技術(正式名称は「AMD CPU Virtualization Technology」)を搭載したプロセッサの提供を開始する予定だ。

 ブライアント氏によると、IntelではVT技術(「Vanderpool」のコードネームで呼ばれていたこともある)を、クライアント用チップからハイエンドのサーバ用チップであるItaniumに至るすべてのプロセッサラインに拡張する予定だという。

 IntelおよびAMDでは、仮想化機能をハードウェアに組み込めば、仮想化ソフトウェアの実行に伴う複雑な処理の量が減少するため、仮想化ソフトウェアのパフォーマンスが改善されるとしている。

 「Intelでは、デュアルコアチップや64ビットプロセッシングといった技術も組み合わせることにより、システムのパフォーマンスの向上を図るつもりだ」とブライアント氏は語る。

 ターナー氏によると、仮想化をこれらの技術と組み合わせれば、企業はさまざまな分野で活用することができるという。同氏はカンファレンスのスピーチで、「仮想化技術を利用すれば、データセンターに必要な物理サーバの数を減らすことができる。これは、企業の資本コストの削減ならびにコンピュータの利用効率の改善につながる」と述べた。

 さらにターナー氏は、多くの新しいサーバを追加する必要がないため、データセンターの冷房コストおよび電力コストも抑制することができると指摘。現在、100台のサーバを使っているデータセンターでは、冷房およびサーバの消費電力に約4万ドルのコストがかかるという。

 また、仮想化技術が企業の間で根を下ろすのに伴い(先週行われた別のカンファレンスでターナー氏は、すべてのデータセンターの約80%が仮想化技術を利用していると推定した)、同技術はサーバだけでなく、OSやアプリケーション、ストレージ、ネットワークといった分野にも利用が拡大する見込みだという。

 ブライアント氏によると、顧客が主に心配しているのは、信頼性、パフォーマンス、ソフトウェアのサポートといった問題だ。

 また同氏は最近の事例として、仮想化技術を利用して、10台の2ウェイXeon搭載サーバを2台の4ウェイXeon搭載サーバに統合することで、ハードウェアコストで4万8000ドル、運用コストで7万1000ドル節約した企業のケースを紹介した。

 「ハイパースレッディングに対応したIntelのデュアルコアチップなどの技術が普及するのに伴い、今後もシステムのパフォーマンスの向上が続くだろう」と同氏は語る。Intelでは、年末までに出荷するサーバ用チップ全体の85%がデュアルコア型になると予想している。

 また、開発中のXeonプロセッサ「Bensley」などの将来チップには、Intel I/O Acceleration技術やフルバッファDIMMのサポートなども組み込まれる見込みだ。

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