前倒しでデュアルコアXeonを投入するインテル

インテルがデュアルプロセッササーバ向けの「デュアルコア インテルXeonプロセッサ 2.80GHz」を国内でも正式発表した。マルチプロセッサ版も60日以内に出荷されるという。

» 2005年10月11日 14時42分 公開
[浅井英二,ITmedia]

 インテルは10月11日、都内のホテルで記者発表会を行い、デュアルプロセッサ(DP)サーバ向けの「デュアルコア インテルXeonプロセッサ 2.80GHz」(コードネーム:Paxville DP)を国内でも正式発表した。

 同社初となるサーバ向けのデュアルコアプロセッサは当初、2006年の投入予定だったが、計画を前倒ししての投入となる。デュアルコアで先んじたAMD Opteronを強く意識した対抗措置だろうことは容易に想像がつくが、「2006年から本格化するマルチコア時代に向けてハードウェアを先行投入し、ソフトウェアの準備を促す狙いがある」と平野浩介マーケティング本部デジタル・エンタープライズ統括部長は話す。

 「今年は64ビットが花開いた。ハードウェアに続いて、WindowsやSQL ServerのようなOS、アプリケーションの移行が進んでいる。来年はマルチコアの年になる」(平野氏)

 気になるデュアルコアXeon(Paxville DP)の性能だが、シングルコアのXeon 3.60GHzと比較して、クロック数は2.8GHzながら25%から50%の性能向上を実現する。記者発表会でもシーディー・アダプコ・ジャパンの3次元汎用熱流体解析ソフトウェア「Star-CD」のデモが実際に行われ、実測で25%性能が向上していることが示された。

マルチプロセッサ版も60日以内に出荷

 インテルでは、マルチプロセッササーバ向けのデュアルコアXeon 7000番台(コードネーム:Paxville MP)を60日以内に出荷することも明らかにした。Paxville MPは、最高3GHzで動作し、新しい800MHzシステムバス対応のE8501チップセットと現行の667MHz対応のE8500をどちらもサポートするほか、2006年になるとインテル バーチャライゼーション・テクノロジー(VT)も組み込まれるという。

 最大で60%の性能向上が見込まれるほか、同社が「*Ts」(スターティーズ)と呼ぶ一連の技術を組み込んでいくことで、「プラットフォームベースでの性能向上と使い勝手の改善が図られていく。マルチコア化は消費電力当たりの性能向上を図るのが狙いだが、サーバ統合にも有効だ」(平野氏)という。

 デュアルコアXeonプロセッサ(Paxville DP)では、ハイパー・スレッディング・テクノロジーが組み込まれており、1基の物理的なプロセッサで4つのスレッドを実行できる。記者発表会ではデュアルコアXeonプロセッサを2基搭載したサーバと「VMware GSX Server 3.2」を組み合わせて8台の仮想マシンを作り出し、部門ごとに導入された8台のIAサーバを統合するデモも行われた。

 「価格性能比の改善もさることながら、顧客にとっては仮想化ソリューションによるTCO削減も大きなメリットとなる」(平野氏)

 60日以内で追加投入されるデュアルコアXeon 7000番台(Paxville MP)では、プラットフォーム当たりのスレッド数は128まで引き上げられるという。

 この日出荷が始まったデュアルコアXeon 2.80GHz(Paxville DP)の価格は11万6500円。国内ではデル、日本ヒューレット・パッカード、富士通らが同プロセッサを搭載したサーバ/ワークステーションを相次いで製品化するという。

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