NECのISP「BIGLOBE」は2月23日、ブログサービス「ウェブリブログ」に、SNS(ソーシャルネットワーキングサービス)機能を追加すると発表した。ユーザー同士がリンクでつながったり、掲示板で意見交換できるようにする。コミュニケーションを活性化しながら参加の敷居を下げ、ユーザー増につなげる狙いだ。システムのAPIを公開し、他社ブログと連携可能にすることも検討している。
ウェブリブログは、「ココログ」や「livedoorブログ」などを追いかける格好で2004年3月にスタートした(関連記事参照)。ツールはすべて独自開発で、初心者にも使いやすいのが売りだ。
昨年8月に、チャットや音声合成などが行える「ウェブリシール」の配布を始めるなど、他社サービスにはない特徴的な機能を追加し、ユーザー数もじわじわと伸びてきたが、約15万ユーザーと、大手ISPが抱えるサービスとしてはまだ少ない。
SNS化により、ブログを書かなくても参加できる環境にしてユーザー数を増やしつつ、ユーザー同士のつながりを強め、コメントやトラックバックのやり取りを活性化させる狙いだ。
機能追加は3月1日に行う。ユーザーごとのプロフィールページを新たに設置し、自己紹介をしたり、プロフィール画像を公開できる。趣味のキーワードをタグ化し、同じ趣味の人を手軽に探せる機能も装備した。
他のユーザーに「フレンド申請」して承認されれば、リンクでつながり、「フレンド登録」できる。フレンド登録したユーザーのプロフィールページへのリンクは、「フレンドリスト」で一覧表示。紹介文を書くこともできる。
ユーザー同士が掲示板で意見交換できるサークル機能を備えた。公開レベルは(1)完全公開、(2)メンバーからの招待を受けた人のみ参加可能、(3)非公開から選べる。「mixi」など既存の大手SNSと異なり、検索エンジンで検索できるため、参加メンバーを容易に増やせるとしている。
「新着お知らせリスト」機能を装備した。自分のブログへの最新コメントや、フレンド登録したユーザーのブログの更新情報、サークルの新着書き込みを一覧表示できる。更新情報が即座に分かるため、活発なコミュニケーションが生まれやすくなるとしている。
各機能は、BIGLOBEのISP会員のほか、「コンテンツ会員」や「カフェ会員」(無料)なら利用でき、招待は不要。ブログを書かなくても、プロフィールページを作成すれば参加できる。
「最近、ブログユーザー同士のコミュニケーションが疎遠になってきた」――同社BIGLOBEパーソナル事業部第2サービスビジネスグループの田中栄市郎マネージャーは指摘する。トラックバックスパムがまん延したため、トラックバック欄を閉鎖するユーザーが増えたのが主な理由だ。
SNSの仕組みなら、トラックバック以外でもユーザーがつながり、活発なコミュニケーションが生まれやすくなる。サークル掲示板も、書き込んだユーザーのプロフィールとリンクさせることで安全性が高まり、荒れにくくなると見ている。
今後は、アルバムサービスやRSSリーダー、メッセンジャーなど、「ウェブリ」シリーズの他サービスもSNSに組み込んでいく計画。システムのAPI公開も検討し、他社ブログと連携する仕組みも作りたい考えだ。動画や音声公開に対応するなど、リッチメディア化も進めるとしている。
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