情報処理推進機構セキュリティセンター(IPA/ISEC)は4月5日、2006年3月のコンピュータウイルスおよび不正アクセスの届出状況をまとめ、公表した。
3月のウイルス検出数は約256万個で、2月とほぼ同水準となった。最も多く検出されたのは「Netsky」で約203万個、全体の79.1%を占めている。次いで「Mytob」が約29万個、「Bagle」が約9万個となった。なお、ウイルス届出件数は4270件で、これも2月の4324件とほぼ同じ水準だった。
一方不正アクセスの届出件数は38件で、2月に比べ14件増加した。うち実被害があったのは10件で、侵入が6件、その他が4件という内訳だ。この中には、Webサーバに不正侵入を受けてフィッシングサイトを設置されたケースも1件含まれている。
IPA/ISECでは2月に続き、P2P型ファイル共有ソフト「Winny」の使用に対し、強く注意を呼びかけている。
Winny経由で情報を流出させるウイルス「Antinny」やその亜種による情報漏えい事件が相次いで発生したことを踏まえ、IPAは3月20日に「Winny緊急相談窓口(Winny119番)」を設置した。この影響があってか、3月にIPAに寄せられた相談件数は1056件と激増し、うちWinnyに関する相談は196件に上ったという。
IPAは、ウイルスに感染しないためには、出所が不明で信用できないファイルを安易に開かないことが大前提であると述べた上で、「しかしながら、Winnyをはじめとしたファイル交換ネットワークで流通しているファイルのほとんどすべてが、まさに『出所不明で信用できないファイル』であるのが実情」と指摘。実際に、ユーザーの注意をひく魅力的なファイル名に偽装したウイルスファイルが多く流通しているという。
「ファイル交換ネットワークからファイルをダウンロードして開くという行為は非常に危険な行為であることを認識し、単に興味本位でWinnyを利用することは厳に慎むことが必要」(IPA/ISEC)。Winnyの仕組みを知り、その危険性を理解できないのであれば、はじめからWinnyを利用すべきではないと警告している。
なお、Winny119番に寄せられた相談の中には、「PCにWinnyが入っていないから、情報漏えいは発生していないと考えてよいか」という内容もあった。しかしIPAでは、「山田オルタナティブ」をはじめ、Antinny以外にも情報漏えいを引き起こすウイルスが存在することから、「Winny利用者以外でも油断は禁物」とし、ウイルス対策の基本を徹底するよう呼びかけている。
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