マイクロソフト日本法人の20周年を機に来日した米Microsoftのビル・ゲイツ会長は4月21日、都内で会見を開き、「パートナーとの協力を拡大したい」と繰り返した。
ネットに接続できる端末が多様化し、Webサービスも進化する中、同社はあくまでソフト開発に特化するとし、ハードメーカーやネットサービス事業者などと積極的に協力・投資していきたいと語った。
ゲイツ会長は「ソフトウェアが世界を変えた」と語る。「Microsoftは、ソフトウェア産業を構築できてラッキーだった。ソフトによってイノベーションの速度が加速し、ライフスタイルやワークスタイルが変わりつつある。音楽を聴く、写真を整理・共有するといったトラディショナルなことまで、ソフトの力を使ってデジタルで行えるようになった」
さらに「ソフトを載せるデバイスは、PCだけではない」とし、携帯電話や「Xbox 360」のようなゲーム機、デジタル家電などでソフトを動かせるようになってきたと指摘。ネット上のコンテンツやさまざまなWebサービスを、デバイスをまたがって利用できる環境を構築することが重要と説く。
例えば、仕事のスケジュールと個人情報を携帯電話とPCで共有したり、Xbox 360で見知らぬ人とゲーム画面を共有して楽しんだり――ソフトウェアを使い、各分野のパートナーと協力しながら、こういった環境の構築を進めていきたいという。
「20年前、日本に初めて来た頃は、西(和彦)さんのアスキーやNECと協力した。それ以来、他社とのパートナーシップは年々拡大している」
同社は国内6000社以上のパートナーと連携しているという。「ソフト開発分野では、カラーマネジメントでキヤノンと協力しいるし、セキュリティではラックと、動画配信は東芝EMIなどコンテンツ企業と協力した。『Windows Media Center Edition』(MCE)も、NECなどと協力して普及させる」
ゲイツ会長は「Microsoft 1社ですべてを手掛けるべきではない」と語る。「IBMはハードからソフト、アプリケーションまですべて1社でやったが、MSはその逆。得意なソフト開発に注力し、パートナーが参加しやすいアーキテクチャを作っていく」
「PLAN-J」と呼ぶ日本法人の3カ年計画ではパートナーとの協力を重要視しており、今後も日本のパートナーに積極的に投資していく方針だ。PLAN-Jでは、NPOの活動にも、パートナーと共同で協力していく方針を示している。
研究開発にも引き続き注力する。「年間60億ドルを研究開発に投じており、その3分の1がセキュリティに対する投資だ」。また、新たな入力ツールも研究しているとし、音声入力やペン入力に言及した。
Windows Vistaについては「あらゆるシステムや環境をうまく接続するテクノロジー」と表現。コスト削減の可能性やファイル検索の容易さなどメリットを強調した。
Liveプラットフォームもアピールした。「Liveプラットフォームは、オープンでハイボリュームで、さまざまなデバイスを接続できる。広告の世界も変えていく」
同社が賛同しているHD DVDについては「ハイデフの時代が確かに来ている」と語り、「HD DVDで録画したビデオはPCに転送できる。消費者に必要とされている柔軟性を持ち、プロテクト技術も標準化されている」などとアピールした。
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