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Office 2007のコラボレーション機能を試す(2/3 ページ)

» 2006年06月06日 18時28分 公開
[Michael Caton,eWEEK]
eWEEK

 Microsoftは今回のBeta 2で、P2PコラボレーションソフトのGroove 2007を正式にOfficeラインに追加している。Grooveの変更点の大半は大きなものではないが、一部のユーザーにとっては、非常に便利な製品となるだろう。eWEEKラボでテストしたところ、最も重要な変化はOffice SharePoint Serverの直接のサポートであることが分かった。Grooveを利用すれば、ユーザーはSharePoint上に文書のリポジトリを作成し、単にユーザーのPC上のフォルダにファイルを保存するのではなく、もっと管理された方法でファイルをオフライン化できることになる。

 またGrooveは、SharePoint Serverを使用している企業に社内で文書を管理する手段を提供する。外部からのSharePointへのアクセスを禁じるポリシーを有する企業は、より厳しく管理されたGrooveを介して、情報の共有とコラボレーションを行えばいい。

 社内ユーザーのシステムにインストールされたGrooveは、ファイアウォール外部のGrooveユーザー向けのプロキシとして振舞える。内部のユーザーは文書のワークスペースを共有するだけでよく、双方間のデータの同期化はパブリックなGrooveネットワークが担当する。またMicrosoftは、社内でGrooveネットワークを運営/管理したい企業向けにGroove Enterprise Management ServerとEnterprise Relay Serverを提供する計画だ。

 Microsoftは開発者がInfoPathフォームをGrooveユーザーと共有できるよう、GrooveにInfoPathフォームツールを追加している。eWEEKラボのテストでは、Grooveワークスペースにロードするためのサンプルフォームは得られなかった。だがInfoPathのマクロ機能により、開発チームはGrooveのフォームベースのアプリケーションで複雑なワークフローを構築できることになるはずだ。

 GrooveはOfficeスイートのEnterprise Editionにのみバンドルされる。つまり、Microsoftは中小企業がIT企業による支援なしで協調的なワークスペースを迅速に構築できるよう支援するチャンスを逃すことになる。

 GrooveとOfficeのそのほかのコンポーネントの間には、Office Communicatorアプリケーションのプレゼンス機能のほか、Office SharePoint Serverの文書管理やワークフロー機能など、多くのオーバーラップがある。今回のβ版では、Grooveがどのような形でエンタープライズワイドなソリューションとなるのかは、完全には明らかになっていない。それでも、特定のコラボレーションニーズを備えたワークグループにとって、Grooveは非常に有用なツールとなるはずだ。

 MicrosoftはOffice 2003において、Windows SharePoint Servicesを介したオンラインの文書コラボレーションを導入した。Windows SharePoint Servicesは、ユーザーがリアルタイムで同時に文書に取り組めるようにするための、Windows Server 2003上で動作する技術セットだ。

 Office 2007のβ版では、Microsoftは同プラットフォームに改善を施し、より構造化された文書/コンテンツ管理のためのバックエンドとして機能するよう、Office SharePoint Server 2007を緊密に統合した。Office SharePoint Servicesのユーザーは、自分のパーソナルなSharePointサイトに文書を保存するだけで、デフォルトでOfficeアプリケーションの文書を共有できる。

 ユーザーには、こうしたサイトの一部として、追加のワークフローツールが提供される。これらのツールは、シンプルな承認/改訂プロセスの管理のほか、文書を所定のプロセスに通すためのワークフローの定義などに利用できる。

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