市場に登場してから数カ月にもかかわらず、Windows XPを走らせるキーボードレス携帯コンピュータ「UltraMobile PC(UMPC)」は、既にアナリストや多くのレビュアーから酷評されている。
UMPCは今、独自のビジネス向け小型コンピュータを提供するソニーや新興企業OQOの同様の製品にターゲットにされている。
だがMicrosoftとそのパートナー――UMPCはIntelとVIA Technologiesの支援を受けている――は、近いうちにUMPCはもっと多様化すると期待している。
新たに参入するUMPCのメーカーはさらなる利用モデルを生み出し、スライド式のキーボードを統合し、ワイヤレスWAN(ワイドエリアネットワーク)などで設計を改良すると同時に、価格を引き下げるだろう。
「年末商戦期にはもっと多くのUMPCが登場するだろう」とWindowsクライアント製品マーケティング部門のWindowsクライアントモビリティマーケティングチーム責任者マイク・クラマー氏は語る。「これまで以上に多くの大手メーカーがUMPCのリリースに関心を持っている」
Microsoftはこれらパートナーの一部と協力し、価格を引き下げ、さまざまな形状やスタイル、カラーのマシンの提供を支援している。
女性やティーンエージャーをターゲットにしたデザインの余地はあるし、ビジネス指向のユーザーを狙うメーカーもいるとMicrosoftは言う。
また2007年1月に登場予定のMicrosoftの次期版OS「Windows Vista」はUMPCにもっと多くの機能をもたらし、MicrosoftはUMPC向けのアプリケーションスイート「Touch Pack」のアップデートも続けるとクラマー氏は言う。
「(2006年)第4四半期と(2007年)第1四半期にフォームファクターの変化がある。さまざまなデザインの統合が見られるだろう。一部のマシンではキーボードが統合される」(同氏)
「新規参入するUMPCメーカーが特徴になるだろう。時間が経つほどに徐々に改良が進んでいく」と同氏は語る。
クラマー氏は、UMPCに参入する可能性のある企業を明かすことを避けた。ただし、台湾の有名なコンピュータメーカーAsusが今夏参入する予定がある。
Asusの2ポンド(約900グラム)の「R2H」は7インチディスプレイ、Intel Celeronプロセッサを搭載し、価格は約1000ドルになると同社担当者は最近eWEEKに語った。
Microsoftは半導体メーカーからも支援を受ける。例えばIntelは、今年の夏に登場する低電圧Core Duoをプレビューした。VIA Technologiesは、C7-MプロセッサとVX700Mチップセットを1つのパッケージにまとめた「John」を提供する。Johnを使えば、メーカーはノートPCやUMPC用に非常に小さなマザーボードを作ることができる。
だがUMPCの需要を喚起する上では、何をおいても依然として価格が重要な要因になるとアナリストは指摘する。
「そもそもUMPCのコンセプトは、コンシューマーを追求し、新たなカテゴリーを作り、低価格で彼らを引きつけることを目指していた」とIDCのアナリスト、リチャード・シム氏は語る。
だが「第1弾のデバイスを見てみると……どこが低価格なのか」と同氏は言う。
実際、最初に米国で販売された有名ブランドのUMPC、Samsungの「Q1」は1099ドルからだ。
SamsungはBest Buyで売られているQ1を、コンシューマーにも企業ユーザーにも役立つデバイスと位置づけている。企業ユーザーは外出先で電子メールをチェックしたりOffice文書を閲覧するのにQ1を使えるとSamsungは言う。
だが、同じくらいの価格の軽量ノートPCで同じ作業ができるとアナリストは指摘する。
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