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Origamiのセカンドチャンスは冬に来る?(2/3 ページ)

» 2006年06月23日 09時24分 公開
[John G. Spooner,eWEEK]
eWEEK

 最終的には「(UMPCは)長い道のりをかけて500ドルになる」とシム氏は語る。「このような新しいデバイスは、焦点とターゲットを絞り込んで顧客を獲得する役に立つものだ。UMPCはそれがまだだ――コンシューマーから始めて、今は企業に訴求することを考えている。それから価値命題を考えると、まだ高すぎる」

 Microsoftは2006年年末商戦に向けてUMPCの価格を引き下げる手助けをすると同時に、バッテリー駆動時間を延ばすなどの改善に努め、またUMPCのメリットを伝えるためにいっそうの努力をしているとクラマー氏は言う。

 「これまで以外のメーカーもUMPCの開発、販売契約を結んでおり、今年の第4四半期にはかなり価格が下がると思う」(同氏)

 500ドルの価格帯――UMPCが主流ユーザーの間でヒットするのに必要な価格だとIDCなどの調査会社は言う――にまでは下がらないだろうが、1000ドルは優に切ると同氏は示唆した。

 「第4四半期にこれらの問題がすべて解決されることはないだろう。だが、大きな改善が見られるはずだ」(同氏)

 しかしそれまでの間に、UMPCはもっと激しい競争に見舞われそうだ。例えばソニーは4.5インチディスプレイ搭載、重さ1.2ポンド(約540グラム)の「UX Series Micro PC」を7月に発売するつもりだ。

 また、5インチディスプレイとスライド式キーボードを搭載した14オンス(約400グラム)のポータブルコンピュータで有名な新興企業OQOも、さらに積極攻勢に出ようとしている。

 いずれの企業も、コンシューマーよりも法人市場をターゲットにしていると両社の幹部らは言う。

 だが、これらのデバイスは同じ顧客、特に自宅や職場で使う軽量ノートPCを買おうと考えているコンシューマーを取り合うことになる。

 「OQO Model 01+」もソニーのUX SeriesもUMPCより高価格だが、場合によってはUMPCより高機能でもある。

 UX Seriesはモバイルプロフェッショナル向けで1799ドルから。だがキーボードとワイヤレスWANが搭載され、CingularのNational EDGEネットワークにアクセスできると広報担当者は説明する。

 OQOのModel 01+は約2099ドル。だが同社は価格引き下げと新技術の導入で市場シェアをつかもうとしているとジェイ・シェイブリCEOは語る。

 Microsoftは幾つかの方法でこれらに対抗するだろう。もっと多くのメーカーを取り込んで、価格の引き下げを支援する取り組みに加え、新しいUMPCプラットフォームを開発するとともに、ISV(独立系ソフトベンダー)と協力して特定の垂直市場向けUMPCを提供することで法人市場を狙っている。

 また同社は既に、「Haiku」と呼ばれるプロジェクトの下でもっと小さな後継プラットフォームに取り組んでいる。

 Haikuの具体的な立ち上げ日は決まっていないが、同社はこれを利用してより小さなUMPCに向けたロードマップを作るとクラマー氏は話している。

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