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ホームAV市場で成功の鍵、iPodの次はiTunes?

» 2006年07月28日 08時25分 公開
[ITmedia]

 米市場調査会社ABI Researchが7月27日に発表したリポートによると、米Apple ComputerのサービスiTunesが、拡大中の家庭用オーディオビデオ市場への参入の大きな布石となり、すでに大成功を収めているiPod以上の成果を同社にもたらす可能性がある、という。

 先週発表された米Appleの決算発表では、市場の期待以上にiPodが引き続き世の中に浸透を続けていることが明らかになった。iPod周辺機器もApple製、サードパーティ製ともに好調を続けており、「ドッキングステーション」システムなども売れている。

 ABIのリサーチディレクターであるバスミ・シストラ氏は、「携帯音楽プレーヤー市場は、MicrosoftのZuneが成功を収めない限り、すでにiPodの一人勝ちが決まっているが、ホーム関連市場はまだ勝者が見えない状況。AppleにとってはiTunesが、この市場に参入し成功を収めるための『トロイの木馬』となりうる」と語る。

 ここで鍵となるのは、家庭内でのデジタルメディア接続への関心の高まり。すでに多くのコンテンツがiTunes Music Store経由でダウンロードされ、PC内のiTunesでコンテンツが整理/分類されている状況。最近はこれらのコンテンツを家庭内で、より高品質な画像/音質で楽しみたい、との期待が高まっていると同氏は分析。「今後ハイエンドのオーディオ製品やマルチルーム・オーディオシステムなどが、iPodだけでなく、iTunesのサポートも始めるのではないか」とシストラ氏。

 Appleはすでに、自社のコンパクトデスクトップ機であるMac miniと、10フィートGUIであるFront Rowとの組み合わせで対応を始めているが、この市場はまだほかのPCメーカー、家電メーカーにとっても大きな可能性を秘めている、と同報告は結論付けている。

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