第4四半期には、ハイエンドデスクトップPCにIntelのクアッドコア(4コア)プロセッサが載ることになりそうだ。
同社は4コアデスクトッププロセッサ「Kentsfield」の立ち上げを2007年第1四半期から2006年第4四半期に前倒ししたが、同プロセッサの立ち上げまでにはまだ数カ月ある。
しかし同社の計画に近い筋によると、同社は今、11月にCore Extremeファミリーの一部として4コアプロセッサを投入する見込みだという。
Core Extremeは主にPCゲームファンやオンラインコンテンツ作成・ビデオ編集に携わる企業ユーザーを対象としており、Intelのデスクトッププロセッサの頂点に立つ。
現在、同社はデスクトップ向けのCore 2 Duoを基盤としたデュアルコアCore 2 Extremeを提供している。
4つのスレッドを同時に実行できる4コアCore Extremeは、同じ基本回路を採用し、デスクトップ市場のトップエンド向けとなる。
精彩を欠く四半期決算が続くIntelは、Core 2 DuoとCore ExtremeがAMDに対する競争力を高め、シェアを取り戻してくれると期待している。
4コアCore Extremeは限られた数のデスクトップモデルに搭載されることになりそうだが、同プロセッサ、そしてAMDの取り組み――AMDの4x4プラットフォームは2個のデュアルコアCPUをハイエンドデスクトップPCに搭載する――やグラフィックスカードメーカーの取り組みは、ハイエンドデスクトップ市場で続く復興に寄与するだろう。
ノートPCの人気が依然として高まっている上に、デュアルコアデスクトップの価格は下がっているものの、マニア向けのハイエンドデスクトップは機能が向上しているとアナリストは話している。
「われわれはハイエンドPC市場の一種の刷新を目にしている」とMercury Researchの主席アナリスト、ディーン・マカロン氏は語る。
同氏はCore Extremeの立ち上げについて具体的には知らないが、デスクトップが2000ドルを超えたことなどほとんどなかった時代は過ぎ、今やハイエンドの3500ドル、4000ドルのPCが標準システムとして提供される可能性が出てきたと話す。
「確かにこの分野は復活しているようだ」(同氏)
この状況の変化は、一部はハードの性能と関係している。マルチコアCPUやデュアルグラフィックスボードを搭載したデスクトップが価格を引き上げている。
だが、マルチスレッド対応のゲームやコンテンツ制作アプリケーションといったソフトに関しては、ハードに追いつき始めたばかりだと業界観測筋は話している。
4コアCore Extremeの登場で、デスクトップはさらなる性能を提供できるようになる。Intelの4コアプロセッサとAMDの4x4プラットフォーム、どちらかを選ぶことで4個のプロセッサを提供するのに加えて、PCメーカーは4倍のグラフィックスも提供できる。
2基のPCI-Expressグラフィックスカードスロットをサポートするマザーボード――既に多数のメーカーからこのようなマザーボードが提供されている――と、NVIDIAのGeForce 7950 GX2など2個のグラフィックスチップを搭載する適切なタイプのグラフィックスカードを選べば、PCメーカーは4倍のグラフィックスを提供できる。
Intelの広報担当者は、Kentsfieldは第4四半期にPCに搭載された形で提供されると話したが、同プロセッサの立ち上げについてそれ以外の詳細を明かすことは避けた。
AMDの方は、4x4プラットフォームを年内に立ち上げるとしている。だが、これが4コアプロセッサになるのは2007年半ばになってからだ。同社は年内に、4コアプロセッサ(同社初の4コアOpteron)を披露することを目指している。
AMDは、Intelの最初の4コアアプローチを批判してきた。このアプローチは、4個のプロセッサコアを同じシリコン片に載せるのではなく、2個のCore 2 Duoプロセッサを特殊なパッケージングで組み合わせるというものだ。
例えば、AMDの4コアOpteronは4個のコアを搭載する。だがIntelは、同社の最初のアプローチでは、AMDより数カ月早く初の4コアプロセッサを投入できると反撃している。
Intelはそれに続いて、4個のコアを同じダイに載せた4コアプロセッサを2007年にリリースする。
Intelは、初の4コアプロセッサについてほとんど詳細を明かしておらず、最初の4コアデスクトップCPUは2個のデュアルコアCore 2 Duoを統合したもので、最初の4コアサーバCPUは2個のXeon 5100をパッケージングしたものになることだけを認めている。ただし一部の報道によると、4コアCore Extremeは2.66GHzで動作する見込みだという。
だが、同社は9月のIntel Developer Forum(IDF)でもっと詳しい情報を明らかにすると見られている。
Intel幹部は批判をそらし、設計をトレードオフにして4コアプロセッサを提供するという同社の最初のアプローチは、4コアプロセッサを市場に投入するのにかかる時間を短縮する狙いがあると主張してきた。
また同社は、サーバ向けの初の4コアXeon DP「Clovertown」を2006年第4四半期に出荷するとしている。
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